セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年迄) |
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タイトル | Y7-09:EUS-FNAを施行した自己免疫性膵炎の2症例 |
演者 | 姫野 愛子(大阪警察病院 内科) |
共同演者 | 宇田 創(大阪警察病院 内科), 上間 遼太郎(大阪警察病院 内科), 佐藤 克彦(大阪警察病院 内科), 妻野 恵理(大阪警察病院 内科), 占部 真貴子(大阪警察病院 内科), 堀江 真以(大阪警察病院 内科), 大嶋 太郎(大阪警察病院 内科), 景山 宏之(大阪警察病院 内科), 村田 真衣子(大阪警察病院 内科), 宮竹 英希(大阪警察病院 内科), 水谷 昌代(大阪警察病院 内科), 岡田 章良(大阪警察病院 内科), 河相 直樹(大阪警察病院 内科), 辻本 正彦(大阪警察病院 病理診断科), 尾下 正秀(大阪警察病院 内科), 榎原 良一(えばら臨港クリニック) |
抄録 | 【症例1】64歳男性。腹痛精査の腹部エコーで膵頭部に40mm大の低エコーを呈する腫瘤を認め、精査目的で紹介受診。血液検査上IgG4 183 mg/dl、CEA 2.1ng/ml、CA19-9 159U/ml、造影CT・MRIで膵頭部腫瘤は乏血性で下部胆管は狭窄し、ERCP上も総胆管は膵頭部で狭窄を認めERBD tubeを留置した。EUSでは膵頭部に40mm大の低エコー腫瘤を認め十二指腸球部より25Gy針で2回穿刺し、病理診断で悪性所見は認めず、好中球の集簇もないことより悪性腫瘍、自己免疫性膵炎2型は否定的であった。以上より限局型自己免疫性膵炎と診断した。PSL30mg/日で開始しPSL15mg/日まで減量した時点で胆管の狭窄は改善しており、ERBD tubeを抜去した。【症例2】60歳男性。健康診断でALP高値を指摘され精査目的で受診。血液検査上AST 54IU/L、ALT 44IU/L、ALP 1101IU/L、γ-GTP 773IU/L、IgG 2270mg/dl、IgG4 1030mg/dl、造影CT・MRIにて膵臓のびまん性腫大と下部胆管の狭窄像及び膵辺縁にT2WIで低信号の被膜様構造(capsule-like rim)を認めた。ERCP上、膵頭部膵管の不整狭細像、総胆管の膵頭部狭窄を認め、総胆管にERBD tubeを留置した。EUS上、膵全体が腫大、低エコーを呈し、膵頭部には高エコースポットの混在を認め明らかな限局性腫瘤像は認めなかった。十二指腸球部より22Gy針で2回穿刺し、病理所見にて膵実質に形質細胞及びリンパ球主体の炎症細胞の浸潤、花筵状の線維化を認めたが、閉塞性静脈炎は認めず、免疫染色でIgG4陽性形質細胞は認められたが1視野10個以上ではなかった。以上よりびまん型自己免疫性膵炎と診断した。PSL30mg/日より導入しPSL10mg/日まで減量した時点のCTで膵腫大の改善を認めERBD tubeを抜去しその後、再燃なく経過している。【結語】自己免疫性膵炎臨床診断基準2011にて限局性膵腫大を呈する症例は悪性疾患との鑑別が困難な例が多く、EUS-FNAは鑑別に有用な検査であり施行が望ましい。またEUS-FNAによる病理学的診断能は良好とは言えないが存在するため施行可能な施設では施行を検討すべきである。EUS-FNAを施行した自己免疫性膵炎の2例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 自己免疫性膵炎, EUS-FNA |