セッション情報 シンポジウム1 「ウイルス性肝炎治療の最前線」

タイトル S1-09:

当院における3剤併用治療の現況(高齢患者を中心に)

演者 中谷 泰樹(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科)
共同演者 上野山 義人(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 山下  幸孝(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科)
抄録 【目的】当院における3剤併用療法の現況を報告し、さらに65歳未満と65歳以上の高齢者における治療効果、副作用を比較検討した。【方法】対象は平成24年1月から平成25年4月に3剤併用療法を行ったgenotype1型高ウイルス量のC型慢性肝炎54症例(男性33例、女性21例)そのうちA群:65歳未満35例、B群:65歳以上19例(B群ではさらにTVR開始量2250mg/1500mgに分類)、ウイルス陰性化効果、副作用発現を比較した。【結果】12週間TVR継続できた症例(途中減量例も含める)は、A群75%、B群2250mg開始例22.3%、1500mg開始群66.7%であった。早期ウイルス陰性化率は両群で差は認めなかった。早期ウイルス陰性化を得た症例では、高いSVR12達成率を認めたが(1週陰性:SVR12 100 %、4週陰性:SVR12 89.5%、8週陰性:SVR12 83%)、両群間での差は認めなかった。TVR Full dose完遂した群でSVR12 88.9% 減量しながら12週継続した群でSVR12 100%、中止群でSVR12 61.5%であった。特にB群ではTVR中止例でSVR12が25%、TVR継続例でSVR12 100%と差を認めた。副作用についてはいずれの項目もB群で高い傾向を示し、特に貧血、皮疹、腎機能障害においては程度が重篤な割合が高かった。【結論/考察】全症例におけるTVR2250mg投与群と減量投与群で早期ウイルス陰性化率、SVR12率は同程度であった。副作用はB群で高い傾向にあったが、TVR減量開始、もしくは治療経過中に適切な減量投与を行い、治療継続できた症例ではA群と同程度のTVR継続率、早期ウイルス陰性率が得られ、TVR中止した例よりも高いSVR12率を達成できた。 したがって高齢患者に対してはTVR減量投与を行い、可能な限り副作用発現を減じ、12週間治療継続することが、最終的なSVR率向上につながるのではないかと考えた
索引用語 3剤併用治療, 高齢者