セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y5-3:

サイトメガロウイルス感染を契機に発症した自己免疫性肝炎の1例

演者 曽我 彩子(大阪厚生年金病院 内科)
共同演者 日比野 千尋(大阪厚生年金病院 内科), 日下部 瑛(大阪厚生年金病院 内科), 加藤 幹那(大阪厚生年金病院 内科), 加藤 穣(大阪厚生年金病院 内科), 村井 一裕(大阪厚生年金病院 内科), 塩出 悠登(大阪厚生年金病院 内科), 松村 有記(大阪厚生年金病院 内科), 北 久晃(大阪厚生年金病院 内科), 西塔 民子(大阪厚生年金病院 内科), 河合 知代(大阪厚生年金病院 内科), 中田 悠紀(大阪厚生年金病院 内科), 濱野 美奈(大阪厚生年金病院 内科), 千葉 三保(大阪厚生年金病院 内科), 前田 晃作(大阪厚生年金病院 内科), 内藤 雅文(大阪厚生年金病院 内科), 道田 知樹(大阪厚生年金病院 内科), 伊藤 敏文(大阪厚生年金病院 内科)
抄録 【症例】30歳代 男性【主訴】全身倦怠感、皮膚黄染【既往歴】腰椎椎間板ヘルニア【薬歴】市販の鎮痛剤【現病歴】2013年1月初旬より尿が茶褐色となり、1月末より全身倦怠感が出現。2月初旬に皮膚・眼球結膜の黄染を自覚し、2月14日に近医受診し、血液検査にて肝機能障害を指摘され、他院へ紹介、同日緊急入院となった。サイトメガロウイルス(CMV)IgM抗体陽性にて、CMV急性肝炎と診断され、経過観察されていたが、PT低下傾向のため、2月21日に加療目的にて当院へ転院となった。【経過】入院時T-Bil 7.5mg/dl、AST 731IU/L、ALT 1221IU/L、PT% 63%であり、肝酵素は低下傾向にあったが、1週間ほどして再上昇傾向となった。IgG 2455mg/dL、抗核抗体160倍と高値を認めたことから、自己免疫性肝炎を考慮し、2月26日肝生検を施行、門脈域に多数のリンパ球浸潤を認め、interface hepatitisの像を呈し、A2F0であった。抗平滑筋抗体40倍、HLA-DR4陽性であり、IgGの上昇傾向を認めたことから、AIHの可能性が強く示唆された。当初は健常者かつC7-HRP陰性でCMV感染の活動性は低く、抗ウイルス療法の積極的適応ではないと考えたが、C7-HRPが陽性となり、CMVに対する抗ウイルス療法を施行した。2週間後も肝障害の改善を得られず、CMVによる肝障害の関与は低いと判断し、PSL 40mg/日(0.5mg/kg)投与を開始した。肝酵素・IgGともに順調に改善し、PSL25mg/日まで漸減し、退院となった。【結語】健常若年男性にCMV感染及び自己免疫性肝炎の発症は稀である。今回我々は、CMV感染を契機に自己免疫性肝炎を発症した1例を経験したため、ここに報告する。
索引用語 自己免疫性肝炎, 自己免疫性肝炎