セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y4-3:

Infliximab投与により乾癬様皮膚病変を発症したクローン病の1例

演者 大西 孝典(市立池田病院 消化器内科)
共同演者 厨子 慎一郎(市立池田病院 消化器内科), 中原 征則(市立池田病院 消化器内科), 松本 康史(市立池田病院 消化器内科), 卜部 彩子(市立池田病院 消化器内科), 倉橋 知英(市立池田病院 消化器内科), 八木 麻衣(市立池田病院 消化器内科), 谷 瑞季(市立池田病院 消化器内科), 安岡 秀高(市立池田病院 消化器内科), 今井 康陽(市立池田病院 消化器内科), 吉良 正浩(市立池田病院 皮膚科), 大橋 寛嗣(市立池田病院 病理診断科)
抄録 症例は25歳男性 。2001年より食欲不振・嘔気・心窩部痛・排便回数の増加を認めクローン病と診断され、5-ASAと経腸栄養療法にて治療を行っていた。2010年10月末より下痢回数の増加・新鮮血下血を認め、クローン病の増悪と判断しPSL投与するも改善せず11月よりInfliximabを導入をしたところ症状改善が認められた。その後は投与8週おきに寛解維持療法を行っていた。2010年12月頃から両手足に痒みを伴う皮疹が出現。近医皮膚科にてステロイド軟膏等処方されていたが改善を認めず、2011年7月当院皮膚科受診。2011年8月に右足側部より生検し、病理学的にPsoriasiform dermatitisと診断した。infliximabによる皮膚病変と考えられたが、infliximab中止や他剤の変更を行うことは希望されなかったため、外用薬による保存的治療を継続されたが、その後も季節の変わり目や、接触にて改善増悪を繰り返した。2012年11月よりシクロスポリン併用を開始し、2013年2月よりエトレチナート追加し治療継続を行っている。Infliximabは抗ヒトTNF-α モノクローナル抗体であり、適応として、関節リウマチ・クローン病・潰瘍性大腸炎・ベーチェット病によるぶどう膜炎・強直性脊椎炎・乾癬がある。乾癬の治療として使用する抗TNFα製剤が、乾癬を引き起こしたというparadoxicalな一例を経験し、興味ある症例と考え文献的考察を加え報告する。
索引用語 Infliximab, 乾癬