セッション情報 一般演題

タイトル 44:

診断に苦慮した膵癌による転移性虫垂腫瘍の一例

演者 近藤 尚(市立豊中病院)
共同演者 山本 克己(市立豊中病院), 大竹 由利子(市立豊中病院), 坂本 愛沙(市立豊中病院), 齊木 浩二(市立豊中病院), 都木 航(市立豊中病院), 高橋 啓(市立豊中病院), 山本 政司(市立豊中病院), 林 史郎(市立豊中病院), 中島 佐知子(市立豊中病院), 市場 誠(市立豊中病院), 福井 浩司(市立豊中病院), 稲田 正己(市立豊中病院), 足立 史朗(市立豊中病院)
抄録 【症例】60歳代 女性【主訴】全身倦怠感・腹部膨満感・下腹部痛【既往歴】高血圧【現病歴】2012年6月頃より全身倦怠感・腹部膨満感が出現し、前医を受診。腹部単純CTにて虫垂腫瘍・腹膜播種疑いと診断され、精査加療目的に当院紹介となった。【経過】当院にて施行した造影CTでは虫垂に径15mm大の腫瘤影が指摘され、腸間膜・大網内・上腸間膜動脈根部に造影効果を伴う結節影が認められ、多発リンパ節転移・腹膜播種と考えられた。いずれもPET-CTではFDG集積が確認された。上腸間膜動脈根部の結節影については膵腫瘍である可能性も考慮されたが、リンパ節転移との鑑別は困難であった。下部消化管内視鏡検査は癒着により深部挿入不可であった。化学療法の適応と思われるものの原発巣の判断が困難であり、外科的に組織採取を行う方針とした。CTでは虫垂周囲に脂肪織濃度上昇が認められており、右下腹部に自発痛・圧痛あり、虫垂炎を併発している可能性も考えられたため、術式は回盲部切除を選択した。組織診断は腺癌、免疫染色ではCK7陽性CK20陰性であり、p53過剰発現を認めず、膵癌による転移性虫垂腫瘍と診断した。術後、Gemcitabineによる化学療法を開始。投与後5ヶ月はSDを維持、その後PDとなったためTS-1に変更し現在も化学療法続行中である。【考察】転移性虫垂腫瘍は稀な疾患であり、今回我々は膵癌による転移性虫垂腫瘍の一例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 膵癌, 転移性虫垂腫瘍