セッション情報 | Freshman Session(卒後2年迄) |
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タイトル | F1-5:急速な肝転移の進行で死亡した胃内分泌細胞癌の一例 |
演者 | 田邉 のぞみ(淀川キリスト教病院) |
共同演者 | 高田 美穂(淀川キリスト教病院), 田中 俊多(淀川キリスト教病院), 山本 梨津子(淀川キリスト教病院), 竹中 春香(淀川キリスト教病院), 西尾 昭宏(淀川キリスト教病院), 吉田 竜太郎(淀川キリスト教病院), 三浦 翔(淀川キリスト教病院), 印藤 直彦(淀川キリスト教病院), 佐々木 翔(淀川キリスト教病院), 末吉 伸行(淀川キリスト教病院), 矢野 雄飛(淀川キリスト教病院), 山岡 優子(淀川キリスト教病院), 廣吉 康秀(淀川キリスト教病院), 松木 信之(淀川キリスト教病院), 藤田 光一(淀川キリスト教病院), 阿南 隆洋(淀川キリスト教病院), 渡辺 明彦(淀川キリスト教病院), 菅原 淳(淀川キリスト教病院), 藤田 剛(淀川キリスト教病院), 向井 秀一(淀川キリスト教病院) |
抄録 | 【症例】60台男性。右季肋部痛を主訴に当院へ救急搬送となった。血液検査にて肝機能障害および腫瘍マーカーの上昇を認め、腹部造影CTにて多発肝転移および胃噴門部壁肥厚、胃噴門部リンパ節腫大を認めた。上部消化管内視鏡検査にて胃噴門部小弯側に1型の不整隆起性病変を認め、生検で中分化型腺癌と診断され、臨床病期Stage4b(T3N1M1)にて化学療法の適応となった。肝機能障害とPSの低下を認めたためTS-1単剤にて化学療法を開始し、2クール終了時点では腫瘍の縮小を認めていたが、5クール終了時点で腫瘍の増大を認め、1ヶ月後レジメン変更目的に再入院となった。しかし肝多発転移、黄疸、腹水の著明な進行を認めたため化学療法を中止し、約2週間後に死亡した。死後に病理解剖を施行した結果、胃原発巣に腺腔形成が乏しく間質の少ない充実性の腫瘍細胞群を認めた。ロゼット様配列・柵状配列・核分裂像など特徴的な組織形態を有しており、免疫染色の結果胃内分泌細胞癌と診断された。【結語】胃内分泌細胞癌は胃癌全体の0.6%未満と非常に稀な疾患である。特徴的な組織像を有するが、類似する組織型がいくつか存在するためHE染色のみでは診断が困難な場合が多く、確定診断には免疫染色が必須である。発見時には既に遠隔転移を来している場合が多く化学療法の適応となり、その有効性を示す報告例が散見されるのみでエビデンスのある治療は現在確立していない。今回我々は病理解剖で胃内分泌細胞癌と診断された稀な一例を経験したので文献的考察をふまえて報告する。 |
索引用語 | 胃癌, 内分泌細胞癌 |