セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y6-6:

肝生検後胆道出血の一例

演者 奥田 佳一郎(大阪府済生会吹田病院)
共同演者 島 俊英(大阪府済生会吹田病院), 安田 律(大阪府済生会吹田病院), 旭爪 幸恵(大阪府済生会吹田病院), 堀元 隆二(大阪府済生会吹田病院), 大矢 寛久(大阪府済生会吹田病院), 加藤 隆介(大阪府済生会吹田病院), 天野 一郎(大阪府済生会吹田病院), 関 耕次郎(大阪府済生会吹田病院), 千藤 麗(大阪府済生会吹田病院), 松本 淳子(大阪府済生会吹田病院), 田中 いずみ(大阪府済生会吹田病院), 澤井 直樹(大阪府済生会吹田病院), 水野 智恵美(大阪府済生会吹田病院), 水野 雅之(大阪府済生会吹田病院), 岡上 武(大阪府済生会吹田病院)
抄録 症例は66歳男性。2007年に心筋梗塞の既往あり抗血小板薬内服中。2013年1月17日、NASH疑いにて当院で肝生検(NAFLD type4,fat 25%,Brunt分類 grade2,stage3,NAS score 5点)施行し、疼痛なく、翌日に中止していた抗血小板薬を再開して退院した。2013年1月25日、就寝中に突然の背部痛と腹痛を主訴に救急受診した。血液検査上、肝胆道系酵素の上昇(AST 281,ALT 127,ALP 366,γ-GT 299,T-BIL 2.1)、腹部造影CTで肝S8に楔状異常濃染、胆嚢底部と総胆管内に高吸収域を認めた。胆道出血が疑われたため、抗血小板薬の内服を中止し止血剤を投与した。絶食補液による保存的加療を開始し、予防的にsulbactam/cefoperazone1g×2も投与した。第2病日施行の腹部US・腹部単純CTで胆管内出血を疑う所見は消失しており、GIFで乳頭部観察を行うも血液の排出は認めなかった。血液検査上、直接ビリルビン優位の黄疸を軽度認めたが、明らかな貧血の進行は認めなかった。第6病日に黒色便を認めたが、その他の腹部症状を伴うことなく経過した。肝胆道系酵素は徐々に改善を認め、第9病日に退院した。経過から肝生検合併症としての胆道出血と診断、出血による胆管内圧の上昇により背部痛と腹痛が生じたと考えられた。肝生検手技に伴う動脈壁損傷による仮性動脈瘤の形成・抗血小板薬内服・腹圧上昇などが発症要因として挙げられる。肝生検の重篤な合併症の多くは出血性合併症であり、また大半は術後3時間以内に発生する。今回我々は術後8日を経過して発生した胆道出血の一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 肝生検, 胆道出血