セッション情報 一般演題

タイトル 34:

EUSガイド下ランデブー法による胆道ドレナージを行ったBillrothII法再建術後閉塞性黄疸の1例

演者 三長 孝輔(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科)
共同演者 籔内 洋平(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 石井 達也(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 中井 智己(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 益田 朋典(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 東 俊二郎(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 野口 未央(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 松本 久和(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 太田 彩貴子(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 信岡 未由(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 岩上 裕吉(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 谷口 洋平(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 幡丸 景一(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 中谷 泰樹(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 赤松 拓司(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 瀬田 剛史(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 浦井 俊二(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 上野山 義人(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科), 山下 幸孝(日本赤十字社和歌山医療センター 消化器内科)
抄録 【症例】86歳、男性。十二指腸癌による出血に対し姑息的胃空腸バイパス術(BillrothII法再建)後。術後2ヶ月の外来受診時の血液検査で、肝胆道系酵素上昇、黄疸が出現し、腹部超音波検査、CT検査の結果、肝内胆管、総胆管の拡張と胆嚢腫大、総胆管結石を認めた。胆道ドレナージ目的に、経乳頭的アプローチを試みたところ、細径大腸内視鏡(PCF-240L)を用いて乳頭に到達できたが、胆管挿管は、胆管との軸が合わず困難であった。別の日に再度、経乳頭的アプローチを行ったが胆管挿管不成功となったため、EUSガイド下ランデブー法(EUS-RV)による胆道ドレナージを選択した。コンベックス型EUSスコープ(GF-UCT260)を挿入し、胃内走査で4mm大に拡張した肝内胆管(B3)を描出し、19G穿刺針で経胃経肝的に肝内胆管を穿刺、胆汁の逆流を確認後、造影剤を注入し、0.025inchのガイドワイヤー(GW)を挿入、乳頭部を超えて十二指腸内に充分出した状態でGWを留置した。EUSスコープを抜去し、細径大腸内視鏡スコープを乳頭部まで挿入、GWの先端を把持し、通常のERCPの手順で、経乳頭的に7Fr、5cmのプラスチックステント(ERBD)を留置した。術後の肝胆道系酵素の改善が不良であったため、EPBDを追加で行い、ENBDを留置し、良好なドレナージが得られた。高齢かつ担癌患者であることからERBDチューブの留置にて経過観察とした。胆管炎は鎮静化し、黄疸も改善したため転院となった。【考察】EUSガイド下の胆道ドレナージ法は、特にERCP困難例に対するドレナージ法として注目されている手技である。自験例のように、術後再建腸管で内視鏡スコープが乳頭に到達可能であるが胆管挿管できない場合などでは、EUS-RV法を用いることで一期的な経乳頭的胆道ドレナージが可能となるため有用なドレナージ法と考えられるが、専用のデバイスのない現況では、EUS-RVが不成功となった場合の代替法(PTBDなど)についても準備しながら慎重に行う必要がある。
索引用語 EUSガイド下ランデブー法, 術後再建腸管