セッション情報 |
シンポジウム2 「原因不明消化管出血の診断と治療の最前線」
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タイトル |
S2-14:原因不明消化管出血症例の臨床的背景因子の検討
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演者 |
岡本 純一(大阪市立大学大学院 消化器内科学) |
共同演者 |
杉森 聖司(大阪市立大学大学院 消化器内科学), 富永 和作(大阪市立大学大学院 消化器内科学) |
抄録 |
【目的】原因不明消化管出血(OGIB)症例をoccult OGIB群とovert OGIB群に分類し、カプセル内視鏡(CE)もしくはバルーン内視鏡(BAE)を施行した症例において、潰瘍性病変(びらんを含む)、血管性病変、腫瘍性病変に分類し、各種病変別の診断率や臨床的患者背景の特徴について検討した。【方法】2005年1月から2012年1月まで当院でCEもしくはBAEを施行したOGIB症例で、詳細な小腸検索が可能であった446症例を対象とし、後方視的解析を行った。【検討項目】occult OGIBとovert OGIB (previous、ongoing)症例に対する各種病変の診断率、各種病変別にみた患者臨床的背景とその関連危険因子について検討した。【成績】occult OGIB群とovert OGIB群では全病変診断率に有意差はなかったが、occult、previous、ongoingの3群ではongoing OGIB群で有意に高かった(55.1, 55.6, 84.9%; P < .01)。病変別では血管性病変においてovert OGIB群で有意に診断率が高く、occult (10.3%) < previous (15.0%) < ongoing (39.6%)の順に高くなり、CE、BAE別診断率においても同様であった。各種病変別診断に対して、潰瘍性病変ではNSAIDsが、血管性病変では年齢、検査前最低Hb値、抗凝固薬の内服、肝硬変、慢性腎不全による維持透析が、腫瘍性病変では男性と最低Hb値が、それぞれ関連危険因子としてあげられた。OGIB全体では、最低Hb値が低いほど診断率が高くなることが判明し、そのcut-off値は8.6であった。【結論】OGIB症例では、ongoing OGIB症例において病変診断率が高いことが判明した。NSAIDsや抗凝固薬の内服、透析や肝硬変の基礎疾患、検査前最低Hb値などが、各種病変別危険因子となることが示唆された。 |
索引用語 |
原因不明消化管出血, 小腸内視鏡 |