セッション情報 一般演題

タイトル 24:

吐血を契機に診断した腹部大動脈瘤十二指腸穿通の1例

演者 楠本 侑弘(NTT西日本大阪病院 消化器内科)
共同演者 巽 信之(NTT西日本大阪病院 消化器内科), 伊藤 麻理(NTT西日本大阪病院 消化器内科), 太田 高志(NTT西日本大阪病院 消化器内科), 山本 守敏(NTT西日本大阪病院 消化器内科), 金子 晃(NTT西日本大阪病院 消化器内科)
抄録 腹部大動脈瘤の消化管穿通は比較的稀な疾患であり、救命率も非常に低い。今回、吐血を契機に診断した腹部大動脈瘤十二指腸穿通の1例を経験したので報告する。症例は75歳男性。2012年11月16日、吐血にて近医救急搬送。緊急上部消化管内視鏡検査施行されるも明らかな出血源は認めず、十二指腸下行脚より肛門側の出血と考えられた。腹部造影CTにて上腹部に内部血栓形成を伴う腹部大動脈瘤が十二指腸水平脚に接する像を認めたが、明らかな交通はなく、瘤の大きさも40mm程度であったことから、大動脈瘤の穿通や破裂は否定的と判断された。その為、小腸出血が疑われ、当院転院となった。転院後にカプセル内視鏡検査施行し、上部小腸からの出血を疑う赤褐色残渣を認め、経口ダブルバルーン小腸内視鏡検査(DBE)を施行。上部小腸に明らかな出血性病変は指摘されず、十二指腸水平脚では大動脈に接し拍動する部位は認めたが、粘膜面の異常は認めなかった。DBE施行後、熱発があり精査目的に施行したCTにて動脈瘤血栓の内部にair densityを認め、DBE時の送気による大動脈瘤へのairの流入が疑われ、腹部大動脈十二指腸穿通と判断した。心臓血管外科へ転院し、人工血管置換術・十二指腸瘻閉鎖術を施行し、救命し得た。非常に示唆に富む症例であり、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 十二指腸, 腹部大動脈瘤