セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年迄) |
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タイトル | Y6-5:急速に増大しPIVKA-IIの増加を伴った先天性門脈欠損症に生じたHCCの一例 |
演者 | 内海 貴裕(大津赤十字病院 消化器科) |
共同演者 | 近藤 雅彦(大津赤十字病院 消化器科), 小澤 智美(大津赤十字病院 消化器科), 松本 慎平(大津赤十字病院 消化器科), 松本 淳(大津赤十字病院 消化器科), 森 義治(大津赤十字病院 消化器科), 大野 千景(大津赤十字病院 消化器科), 曽我部 裕子(大津赤十字病院 消化器科), 西田 吉宏(大津赤十字病院 消化器科), 稗田 信弘(大津赤十字病院 消化器科), 三上 貴生(大津赤十字病院 消化器科), 垣内 伸之(大津赤十字病院 消化器科), 松永 康寛(大津赤十字病院 消化器科), 安村 聡樹(大津赤十字病院 消化器科), 友野 輝子(大津赤十字病院 消化器科), 本庶 元(大津赤十字病院 消化器科), 長谷川 和範(大津赤十字病院 消化器科), 西川 浩史(大津赤十字病院 消化器科), 三宅 直樹(大津赤十字病院 消化器科), 河南 智晴(大津赤十字病院 消化器科) |
抄録 | 【症例】40歳代男性【現病歴】2007年右季肋部痛で当院受診され、腹部dynamicCTにて肝外側区の約8cmを最大とする多発肝結節を認めた。門脈は遺残静脈管を介して、左肝静脈・下大静脈に流入しており先天性門脈欠損症と診断された。外側区腫瘍の生検にて肝細胞密度高く、肝細胞索の配列不明瞭であり肝細胞癌と診断、外側区切除が施行されたが切除標本の病理組織学的検討では限局性結節性過形成(FNH)と最終診断された。その後、他結節も含め外来で経過観察されていた。2012年後半よりPIVKA-IIが急速に増加し、腹部dynamicCTにてS4に早期相で濃染、後期相でwash outを示す腫瘍を認め、精査加療目的に入院となった。周囲肝実質を含め腫瘍生検が施行され、高分化型肝細胞癌と診断されたが、諸検査にて腫瘍の切除は不能また肝移植適応なしと判断されたため、内科的治療の方針となった。【予備能など】脳症なし、腹水なし、下肢浮腫なし。T-Bil 0.90mg/dl、ALB 3.9g/dl、PT(%) 73%、血小板12.9万/μl、AFP 8.9ng/ml、AFP-L3 5.8%、PIVKA-II 28100mAU/ml。肝炎ウイルスマーカー陰性。【経過】肝には門脈からの血流がないことから肝動脈化学塞栓術(TACE)はリスクが高いと判断し、経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)にて加療することとした。腫瘍径大きく、焼灼効果高めるため、肝動脈をバルーンカテーテルを用いて一時的に塞栓しながら3回RFAを施行した。血流遮断の時間は肝切除時のPringle法に準じて設定した。【考察】先天性門脈欠損症自体稀な疾患であるが、肝腫瘍の合併が多く報告されている。肝細胞癌の合併も報告されているが非常に稀であり(医中誌・PubMedで検索しえた中で4例)、診断の困難性含め若干の文献的考察を加えて報告する。また門脈欠損例に肝動脈閉塞下でRFAを施行した例は自験例以外では認めず、この点についても検討したい。 |
索引用語 | 先天性門脈欠損症, 肝細胞癌 |