セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F5-3:

Walled off necrosisに対してEUS下内外瘻術を施行後に再発を認めた一例

演者 古川 健太郎(近畿大学医学部 消化器内科)
共同演者 北野 雅之(近畿大学医学部 消化器内科), 田中 梨絵(近畿大学医学部 消化器内科), 大本 俊介(近畿大学医学部 消化器内科), 門阪 薫平(近畿大学医学部 消化器内科), 鎌田 研(近畿大学医学部 消化器内科), 宮田 剛(近畿大学医学部 消化器内科), 今井 元(近畿大学医学部 消化器内科), 坂本 洋城(近畿大学医学部 消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学医学部 消化器内科)
抄録 【症例】43歳男性【主訴】腹痛【既往歴】10歳時に虫垂炎を手術加療された。【生活歴】ビールとチューハイを毎日2~3L飲酒していた。【現病歴】平成24年7月に腹痛あり、血清AMYの上昇あり。CTにて膵腫大を認め、急性膵炎と診断された。その後膵炎は保存的加療にて軽快傾向であったが、発熱とともに炎症所見の増悪を認めた。腹部CTにてwalled off necrosis(WON)を指摘され、EUS下嚢胞ドレナージ(EUS-CD)目的で当院に転院となった。【経過】来院後のCTにて最大径16cm大の膿瘍を認め、EUS-CDを施行した。胃体部後壁から19Gのボストン社エクスペクト針で穿刺し、0.025inchガイドワイヤーを嚢胞内にすすめた.次いで,穿刺孔を拡張し,5Fr 8cm ピッグテール型プラスチックステント(PS)を追加留置し、さらに7.5r経鼻ドレナージチューブを嚢胞内に留置した。術後14日目に嚢胞の縮小傾向を認め、経鼻ドレナージチューブを抜去し、2本目のPSを留置した。その後も膿瘍は縮小傾向であったため、PSを一本抜去した。術後12週後には膿瘍はほぼ消失していたが、腹痛が残存していたためステントによる疼痛を疑いステントを抜去した。抜去後翌日から発熱があり、CTにて膿瘍の再燃を認めた。ERCPを施行したところ尾側膵管が造影されず、主膵管の断裂が疑われ膵液瘻による嚢胞の再燃が疑われた。ERPDチューブを膵管に留置するも膿瘍は改善せず、再度EUS-CDを施行。排膿を認めPSを留置した。術後1週間後のCTにて嚢胞の消失を認め退院となった。【考察】感染を伴った巨大な膵嚢胞に対し内外瘻術のEUS-CDが普及し良好な成績が報告されているが、稀に内瘻ステント抜去後に再発する症例も存在する。今回我々は巨大なWONに対し内外瘻術のEUS-CDを行い、PS抜去後に短期間に再度増悪し、PS再留置により嚢胞が消失をした症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 EUS‐CD, 嚢胞