セッション情報 | パネルディスカッション1 「肝・胆・膵腫瘍性病変早期発見に向けた取り組み」 |
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タイトル | P1-04:肝細胞癌の早期診断における造影超音波の有用性と限界 |
演者 | 上野 綾子(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学) |
共同演者 | 打田 佐和子(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学), 高田 さゆり(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学), 小塚 立蔵(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学), 元山 宏行(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学), 川村 悦史(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学), 萩原 淳司(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学), 藤井 英樹(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学), 岩井 秀司(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学), 森川 浩安(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学), 榎本 大(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学), 村上 善基(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学), 田守 昭博(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学), 河田 則文(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学) |
抄録 | 【目的】肝腫瘍は腹部超音波検査で発見されることが多く、肝腫瘍の早期発見には超音波検査は欠かせない。ソナゾイド造影超音波(CEUS)を用いると、肝臓の形態に加えて血流や細胞機能を観察できるため、超音波検査の診断能が高まった。しかしながら、CEUSでは拾い上げのできない肝細胞癌(HCC)も存在している。今回我々は、2 cm以下の小HCCに対するCEUSの診断能を、病理組織診断と比較して検討した。【方法】当科でCEUSを施行し、肝生検もしくは手術標本により病理組織学的にHCCと診断された2 cm以下(平均腫瘍径15.3 ± 3.4 mm)の41結節を対象とし、CEUS所見と病理組織診断を比較検討した。【成績】41結節の内訳は、高分化型HCC 32結節、中分化型8結節、低分化型 1結節であった。41結節中12結節(29.3%)(高分化型10結節、中分化型2結節)でCEUS後血管相の欠損が確認できなかった。それら12結節のうち血管相での濃染もみられず、CEUSでHCCと診断できなかったものは、7結節(17.1%)(高分化型6結節、中分化型1結節)であった。これら7結節の平均腫瘍径は15.6 ± 4.3 mmで、B-modeでは3結節が高エコー、4結節が低エコー腫瘤であった。HCC内のKupffer細胞の有無を調べるためにCD68免疫染色を行ったところ、後血管相で欠損しないHCCの中には背景肝と同様のCD68陽性細胞が確認されるものがあった。【結論】2 cm以下の小HCCのうち17.1%は造影USで診断困難な結節であった。診断が困難な要因として、(1)高エコーであり濃染や欠損が確認しにくいこと、(2)高分化型でありKupffer細胞が存在することがあげられる。HCCの早期発見のためには、造影USで明らかな悪性所見が得られなくても、積極的に生検を考慮すべきである。 |
索引用語 | 肝細胞癌, 造影超音波 |