セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y8-9:

興味ある画像を呈した横隔膜横紋筋肉腫の1例

演者 奥田 篤(市立枚方市民病院消化器内科)
共同演者 藤原 新也(市立枚方市民病院消化器内科), 福本 真延(市立枚方市民病院消化器内科), 鈴鹿 真理(市立枚方市民病院消化器内科), 中平 博子(市立枚方市民病院消化器内科), 扇谷 太輔(市立枚方市民病院消化器内科), 本合 泰(市立枚方市民病院消化器内科), 井口 宗威(大阪医科大学第2内科), 樋口 和秀(大阪医科大学第2内科), 林 道廣(大阪医科大学一般消化器外科), 内山 和久(大阪医科大学一般消化器外科)
抄録 【症例】20歳台、男性。【主訴】心窩部痛。【既往歴】特記すべきことなし。【家族歴】特記すべきことなし。【生活歴】喫煙は20本/日×8年、飲酒は機会飲酒程度。【現病歴】2週間前より心窩部周囲の膨満感と呼吸時の左肩から心窩部にかけての疼痛を自覚していた。自覚症状に波はあるものの自制内であったが、入浴中に激しい心窩部痛を自覚し、救急搬送された。【入院時現症】身長175.0cm、体重74.0Kg、体温35.8℃、血圧110/66mmHg、脈拍92/分・整、SpO2=96% ( room air )、意識清明、貧血・黄疸なし、心雑音なし、呼吸音は左下肺野で減弱、wheeze聴取せず、腹部は平坦・軟、腫瘤触知せず、心窩部~左下腹部にかけて圧痛あり、腸蠕動音はやや減弱、神経学的所見は異常なし、下肢浮腫なし、足背動脈触知良好。【検査所見】WBC12280/μl(N:L=75:17)、CRP9.8 mg/dl、LDH400 IU/l、CPK196 IU/l、NSE20.2、SLX60.5 U/ml、尿検査でケトン体(3+)、心電図検査は異常なし【画像検査】胸部レントゲンは心胸郭比45%で左下肺野に陰影を認めた。胸部単純CTでは左下肺野に胸水貯留を認めた。胸腹部CTで造影で不均一に淡く濃染される腫瘤が横隔膜を挟み込むように連続して左下肺野、左横隔膜直下に存在していた。【入院後経過】食欲低下の進行、胸水貯留といった腫瘍の急激な増大に伴う症状が出現し、増悪傾向を認めたため、症状緩和目的かつ組織診断目的で手術による腫瘍切除術を施行した。その結果、横隔膜原発の胞巣型横紋筋肉腫と診断された。【結語】本例は手術標本で確定診断がなされたが、横紋筋肉腫には特徴的画像所見がないため、術前診断は困難と考えられた。成人発症の横隔膜原発の胞巣型横紋筋肉腫は稀であり、文献的考察を含め報告する。
索引用語 横隔膜腫瘍, 横紋筋肉腫