セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F3-3:

イレウスを契機に診断されたメッケル憩室の一例

演者 橋本 光(京都府立医科大学附属北部医療センター)
共同演者 井上 健(京都府立医科大学附属北部医療センター), 土肥 統(京都府立医科大学附属北部医療センター), 玄 泰行(京都府立医科大学附属北部医療センター), 城 正泰(京都府立医科大学附属北部医療センター), 土肥 萌由(京丹後市立弥栄病院), 吉岡 美香(京丹後市立弥栄病院), 時田 和彦(京都府立医科大学附属北部医療センター)
抄録 【症例】40歳代女性 【主訴】腹痛、嘔吐【既往歴】イレウス【現病歴】平成16年、20年、23年と小腸イレウスを発症し、いずれも絶食・安静によって改善していた。平成24年7月、腹痛・嘔吐にて他院を受診し、イレウスと診断され、イレウス管留置にて症状は改善した。その際イレウス管からの造影にて、回腸に憩室を認めた。9月、精査加療目的で当院へ紹介となった。【入院経過】入院時のCTでは小腸の一部に拡張を認めたが、明らかな狭窄部位は認めなかった。経肛門的にダブルバルーン内視鏡を施行したところ回盲弁から約50cmの回腸に長さ30mm程度の憩室を認めた。また、憩室より5cm口側の回腸に狭窄を認め、その口側の小腸は著明に拡張していた。同部位がイレウスの原因と考えられたため、外科的手術の適応と考えた。腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行。術中所見からメッケル憩室と診断、憩室は盲腸背側の後腹膜と癒着をしており、イレウスの原因と考えられた。術後問題なく経過し、退院となった。【考察】メッケル憩室の大部分は無症状に経過するが、小児では消化性潰瘍、出血の頻度が約40%と高く、成人ではイレウス、憩室炎が多く、消化性潰瘍、出血もみられる。手術歴のないイレウスではメッケル憩室も鑑別として考慮する必要がある。今回我々は手術歴のないイレウスの症例を経験したので、文献的考察を加え、報告する。
索引用語 イレウス, メッケル憩室