セッション情報 一般演題

タイトル 33:

当院でのダブルバルーン使用の現状

演者 印藤 直彦(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科)
共同演者 高田 美穂(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 田中 俊多(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 山本 梨津子(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 竹中 春香(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 西尾 昭宏(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 吉田 竜太郎(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 三浦 翔(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 佐々木 翔(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 末吉 伸行(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 矢野 雄飛(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 山岡 優子(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 廣吉 康秀(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 藤田 光一(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 松木 信之(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 阿南 隆洋(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 松井 佐織(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 渡辺 明彦(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 菅原 淳(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科), 向井 秀一(淀川キリスト教病院  消化器センター 消化器内科)
抄録 ダブルバルーン内視鏡(以下DB)の登場によりこれまで困難であった小腸疾患の診断や治療、術後再建腸管に対するERCP等も可能となり、その有用性については現在まで多数の報告を認める。当院でも2012年8月よりDBを導入しその治療に当たってきた。2012年8月の導入から2013年5月まで当院で施行したDBの症例について報告する。使用している内視鏡はEN-450T5/W、EC-450BI5で、基本的に小腸疾患に対してはEN-450T5/W、術後再建腸管のERCPに対しては有効長が短く各種デバイスが使用可能なEC-450BI5を用いている。対象は25例。平均年齢は59歳。内訳として10例が小腸疾患、2例が大腸内視鏡挿入困難例、13例が術後再建腸管に対するERCPであった。小腸疾患10例については画像で小腸病変が疑われる症例が9例(クローン病を含む)、原因不明消化管出血(以下OGIB)が1例で、その内5例には潰瘍やびらん等の所見を認めたが、残り5例には所見を認めなかった。OGIBについては、上下部消化管内視鏡検査をまず行い、その後カプセル内視鏡についても並行して施行した。
一方、術後再建腸管のERCPについては再建術式としてR-Y再建後が7例(同一症例を4例含む)、BillrothII法が3例、PPPD後が1例、胃空腸バイパス術後が1例、肝右葉切除後が1例であった。診断は総胆管結石8例、胆管癌3例、膵頭部癌2例であった。平均の処置時間は123分であった。乳頭及び胆管空腸吻合部到達例は12例(92%)であり、胆管挿管、造影は9例(69%)で可能であったが、目的完遂は8例(61%)で可能であった。偶発症としては高アミラーゼ血症を9例(69%)、穿孔を1例(7%)認めたがいずれも保存的加療にて軽快した。件数を重ねるに連れ処置が完遂できる症例が増えたが、手技時間には差を認めなかった。内視鏡だけではなく、普段使用しない処置具の習得にも時間を要するため、術者、介助者をある程度限定し処置に当たるようにしている。
索引用語 ダブルバルーン, ERCP