セッション情報 |
シンポジウム2 「原因不明消化管出血の診断と治療の最前線」
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タイトル |
S2-12:当院のOGIB診療における出血タイプ別の診断率の検討
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演者 |
田村 公佑(宝塚市立病院) |
共同演者 |
阿部 孝(宝塚市立病院), 金 庸民(宝塚市立病院) |
抄録 |
【目的】これまでOGIB(Obscure Gastrointestinal Bleeding:原因不明の消化管出血)において潜在性消化管出血(Obscure Occult Gastrointestinal Bleeding)および顕在性消化管出血(Obscure Overt Gastrointestinal Bleeding)が同一に扱われ診断・治療が行われてきた。しかし潜在性消化管出血と顕性消化管出血では含まれる疾患群が異なり診断に至るストラテジーが異なる可能性がある。そのため今回、我々は自施設におけるOGIBに対する検査方法およびそれによる診断率・疾患内訳などを潜在性消化管出血・顕在性持続消化管出血・顕在性既往消化管出血に分けて検討した。【方法】2010年4月から2012年8月において当院でOGIBと診断されカプセル内視鏡(以下CE)およびダブルバルーン内視鏡(以下DBE)を施行された158症例について潜在性消化管出血・顕在性持続消化管出血・顕在性既往消化管出血に分け、検査方法・診断率・疾患内訳等について検討した。【成績】158例のうち、顕在性持続出血が43例、顕在性既往消化管出血が69例、潜在性消化管出血が46例であった。診断率は顕在性持続消化管出血が31/43例で72.7%、顕在性既往消化管出血が13/69例で19.7%、潜在性消化管出血は11/46例で25.5%であった。顕性持続出血の診断率が高く、出血時の迅速な内視鏡診断が有効であった。緊急CEを施行した顕性持続出血(43例)の病変は、腫瘍性病変7.0%(3/43)、血管性病変9.3%(4/43)、潰瘍性病変32.6%/(14/43)、小腸外病変23.2%(10/43)、不明27.9%(12/43)であった。【結論】顕在性持続消化管出血において高い診断率を得ることができた。また潜在性・顕在性にかかわらず、既往出血よりも現時点で出血している場合の方が診断率が勝っていると考えられた。診断率を上げるためには、出血所見を認めてからいかに迅速にCEやDBEなどの内視鏡検査を施行するかが重要となる。 |
索引用語 |
OGIB, 小腸 |