セッション情報 一般演題

タイトル 19:

便潜血陽性で発見された消化管原発マントル細胞リンパ腫の一例

演者 山崎 正美(箕面市立病院 消化器内科)
共同演者 清水 健史(箕面市立病院 消化器内科), 平野 美樹(箕面市立病院 消化器内科), 谷 奈緒子(箕面市立病院 消化器内科), 山北 剛史(箕面市立病院 消化器内科), 西原 彰浩(箕面市立病院 消化器内科), 由良 守(箕面市立病院 消化器内科), 高石 健司(箕面市立病院 消化器内科), 田村 信司(箕面市立病院 消化器内科)
抄録 【症例】80歳代男性【主訴】便潜血陽性【現病歴】健診にて便潜血陽性を指摘され、当院紹介受診となった。特に自覚症状はなく、受診時の血液検査ではHb:10.3g/dlと軽度の貧血を認める他、LDH:229IU/L、CRP:0.55mg/mlと軽度上昇を認めるのみであった。大腸内視鏡検査を施行したところ、粘膜ポリープ様病変を多数認め、病理組織診断でマントル細胞リンパ腫であった。sIL-2R:3890/mlと高値であった。PET-CTで胃・結腸・脾臓・多数のリンパ節に異常集積を認め、腹腔内リンパ節のみではなく、気管前リンパ節にも異常集積を認めた。その後、上部内視鏡検査で胃粘膜ひだの腫大を認め、生検で同様にマントル細胞リンパ腫と診断された。以上の結果から胃・結腸壁主体のマントル細胞リンパ腫、StageIVと診断した。【治療経過】当院血液内科でTHP-CP(オンコビン抜き)を1コース施行するも反応なく、リツキサン併用のR-THP-CPを1コース施行した。しかし反応なく、R-Bendamustineに変更し1コース施行した。しかし血球減少が著明であり、再びR-THP-CPを施行するも反応不良であり、化学療法は中止となっている。現在治療終了後7ヶ月経過している。【考察】マントル細胞リンパ腫は発症頻度が低く全悪性リンパ腫の2.8%と報告されている。形態学的には低悪性度B細胞リンパ腫に属するが、予後不良な治療抵抗性のリンパ腫である。今回便潜血陽性で受診され、消化管主体のマントル細胞リンパ腫の一例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 消化管原発悪性リンパ腫, マントル細胞リンパ腫