セッション情報 | シンポジウム2 「原因不明消化管出血の診断と治療の最前線」 |
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タイトル | S2-11:原因不明消化管出血の現状 |
演者 | 山口 大輔(済生会千里病院 消化器内科) |
共同演者 | 池添 達朗(済生会千里病院 消化器内科), 小谷 芳(済生会千里病院 消化器内科), 良原 丈夫(済生会千里病院 消化器内科), 真田 徹(済生会千里病院 消化器内科), 大田 真紀代(済生会千里病院 消化器内科), 水野 龍義(済生会千里病院 消化器内科), 奥田 偉秀(済生会千里病院 消化器内科), 堀本 雅祥(済生会千里病院 消化器内科), 鈴木 都男(済生会千里病院 消化器内科) |
抄録 | 【背景】 当院は3次救命救急センターを併設しており、重症の消化管出血にて搬送される症例が多い。このような施設でのOGIBについて検討してみた。 【目的】原因不明の消化管出血に対する取り組みについて現状を把握し今後の展望について考察してみる。 【方法】2012年4月から2013年3月までの1年間に当院に消化管出血にて入院となった男性69人、女性62人の合計131人(平均年齢71歳)について上部および下部消化管内視鏡検査、カプセル内視鏡検査、ダブルバルーン小腸内視鏡検査、止血方法、出血源、入院時のHb値、輸血、抗凝固薬内服について調べ、上下部消化管内視鏡検査をしても原因不明であった顕在性消化管出血(Obscure OvertGI Bleeding)について検討した。 【成績】全症例(131人)の内、死亡例は8例、輸血例は40例、抗凝固薬内服例は32例、上部消化管出血と診断されたのが50例、下部消化管出血と診断されたのが26例、死亡あるいは自然止血などの理由にて精査されなかったのは34例、上下部消化管内視鏡検査を施行しても出血源が特定できなかったのは21例であった。その内訳は、大腸憩室出血疑いが8例、小腸腫瘍が1例、十二指腸血管性病変が1例、回腸血管性病変が1例、直腸潰瘍疑いが1例、痔核出血疑いが1例、虚血性大腸炎疑いが1例、NSAIDs小腸炎疑いが1例、出血源不明が6例であった。平均Hbは7.6mg/dl、輸血を要したのは8例、10例が抗凝固薬内服中であった。17例で自然止血が得られ、APCでの止血が2例、クリップでの止血が1例、転院のため詳細不明であったのが1例であった。この中で小腸精査まで行い得たのは4/21例(19%)に留まったが、4例中2例で診断がついた。若干の文献的考察を加えて報告する。 【結論】顕在性OGIB症例では抗凝固薬が投与されていることが多い。カプセル内視鏡およびダブルバルーン小腸内視鏡は診断および治療に有用であるが、自然止血が得られると小腸まで精査されることは少ない。 |
索引用語 | OGIB, 原因不明消化管出血 |