セッション情報 一般演題

タイトル 47:

3重癌(前立腺癌・乳癌・膵腺房細胞癌)の1例

演者 廣橋 研志郎(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科)
共同演者 薗 誠(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 原田 威徳(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 西村   聡(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 橋本 佳愛子(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 渡邉 幸太郎(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 木村   典世 (財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 牟田 優(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 渡辺 昌樹(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 加藤   洋子(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 村上 弥生(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 工藤  寧(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 山内 淳嗣(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 河野 孝一朗 (財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 高      忠之(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 淺田 全範(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 福永 豊和(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 川口   清隆(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 八隅 秀二郎(財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科)
抄録 【緒言】近年の高齢化、各臓器の癌における診断技術や治療法の進歩に伴い日常の診断においても重複癌の存在を念頭に置く必要がある。今回、前立腺癌・乳癌・膵腺房細胞癌の3重癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。【症例】76歳男性で1999年に前立腺癌に対し前立腺全摘術を施行され、PSA高値のため、2001年からLH-RH analogue内服中。2013年2月右乳房のしこりを主訴に当院乳腺外科を受診し、生検による組織診でschirrhous carcinoma Grade2と診断された。乳癌の病期診断のため施行したPET、躯幹部造影CTにて膵尾部に多血性の腫瘤を指摘されたため、当科紹介受診となった。腫瘤の血流動態、臨床経過から転移性膵癌や膵神経内分泌腫瘍を鑑別にあげ、EUS-FNAを施行したところ、腺癌との診断であった。酵素抗体法ではCK7陽性で、Chromogranin A、CD56、GCDFP-15、PSA、Synaptophysin、Estrogen Receptor、Progesterone Receptorはすべて陰性であったため前立腺癌とは異時性で、乳癌とは同時性に存在する膵原発癌StagIVaと診断した。膵癌、乳癌ともに手術適応と判断し、2013年4月膵体尾部切除術+右乳房切除術+腋窩廓清術を施行された。術後の病理診断では膵はAcinar cell carcinoma、乳腺はschirrhous carcinoma Grade3と診断され、前立腺癌も含めた3重癌と診断された。【考察】膵癌を含む重複癌の頻度は3~10%程度で、合併する他臓器癌の組み合わせは男性では胃癌に多く、女性では乳癌に多いとの報告があり、それぞれの性別において、頻度の高い癌の重複が多いとされている。【結語】背景に他臓器癌が存在し、一見、転移性病変と考えられる病変でも、重複癌の可能性を念頭におき、検査、診断にあたる必要がある。
索引用語 腺房細胞がん, 3重がん