セッション情報 一般演題

タイトル 20:

内視鏡的に切除しえた巨大結腸脂肪腫の1例

演者 小嶋 和絵(市立芦屋病院 消化器内科)
共同演者 加村 エリ子(市立芦屋病院 消化器内科), 池田 公一郎(市立芦屋病院 消化器内科), 竹村 忠晴(市立芦屋病院 消化器内科), 臼井 健郎(市立芦屋病院 消化器内科), 竹田 晃(市立芦屋病院 消化器内科)
抄録 【症例】80歳台女性【主訴】頻回の排便【既往歴】特記事項なし【現病歴】平成22年1月近医で大腸ポリープ切除術を施行。ポリープは腺腫で、同時に約2cm大の脂肪腫を指摘されるも経過観察されていた。その後、徐々に便が狭小化し、1日に数回に分けて排便するようになった。平成24年10月検診にて便潜血陽性のため、近医で大腸内視鏡検査施行したところ、盲腸に色素沈着を伴う約3cm大の粘膜下腫瘍を認め、当院に紹介された。腹部CT検査では上行結腸内側に4×3cmの脂肪性腫瘤を認めた。大腸内視鏡検査施行し、上行結腸に径5cmを超える亜有茎性粘膜下腫瘍を認め、基部はバウヒン弁上唇付近と考えられた。細径プローブを用いた超音波内視鏡では、hyperechoicな腫瘍で、入院時CT所見同様lipomaに矛盾しなかった。Flush knifeおよび IT nano knife にて基部より切除を試みたが、切除困難と判断した。そこで、頭部の開窓術に変更し、頭部を大きく開窓した。その後、1週間経っても脂肪成分の排泄がないので、再度、全大腸内視鏡検査施行した。内部の脂肪成分はそのまま残っており、やはり基部から切除すべきと判断し、再度、基部からの切除を行った。切除病変は全長:5cm以上のもので、肛門からの回収が非常に困難であった。病理組織学的所見では結腸の粘膜下層に存在する脂肪腫であった。食事開始後も腹部症状など出現なく経過良好にて、第12病日、退院となった。【考察】今回の様に、巨大な脂肪腫ではスネアを用いた内視鏡的切除術が不可能の場合がある。開窓術による治療が有効との報告もあるが今回は不成功に終わった。最近ではESDデバイスを用いて、直視下に腫瘍を一括切除する方法も普及しつつあり、今回はこの方法により切除し得た。若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 脂肪腫, 内視鏡的切除