セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年迄) |
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タイトル | Y8-8:胃癌に合併したIgG4関連後腹膜線維症の1例 |
演者 | 正木 翔(兵庫県立尼崎病院 消化器内科) |
共同演者 | 出田 雅子(兵庫県立尼崎病院 消化器内科), 梅田 誠(兵庫県立尼崎病院 消化器内科), 長尾 宗政(兵庫県立尼崎病院 消化器内科), 山崎 友裕(兵庫県立尼崎病院 消化器内科), 中井 敦史(兵庫県立尼崎病院 消化器内科), 北村 悟(兵庫県立尼崎病院 消化器内科), 平松 由紀子(兵庫県立尼崎病院 消化器内科), 菱谷 英里子(兵庫県立尼崎病院 消化器内科), 増尾 謙志(兵庫県立尼崎病院 消化器内科), 野本 大介(兵庫県立尼崎病院 消化器内科), 川崎 公男(兵庫県立尼崎病院 消化器内科), 松村 毅(兵庫県立尼崎病院 消化器内科), 斎田 宏(兵庫県立尼崎病院 消化器内科), 木村 利幸(兵庫県立尼崎病院 消化器内科) |
抄録 | 【症例】73歳、男性【主訴】黒色便、息切れ【現病歴】2012年9月4日頃から黒色便、歩行時の息切れが出現した。近医を受診し、Hb6.4g/dlと貧血を認め、9月14日に当院に紹介入院となった。【既往歴】開腹下胆嚢摘出術【家族歴】特記事項なし【入院時現症/検査】体温36.3℃、身長156cm、体重63kg、血圧122/62mmHg、脈拍60回/分、SpO2 95%。結膜貧血、心窩部に圧痛を認めた。血液検査:WBC 7800/ul、Hb 6.6g/dl、Plt 35.7万、LDH 185IU/l、CEA 1.7ng/ml、CA19-9 0.6U/ml未満、sIL2レセプター 720U/ml、IgG 2937mg/dl、IgG4 636mg/dl【経過】上部消化管内視鏡検査で体下部前壁に40mm大の胃癌(type2、tub2)、胃角小弯に15mm大の胃癌(type2、tub1)を認めた。造影CTでは胃小弯から噴門にかけてのリンパ節腫大、腹部大動脈前方・下腸間膜静脈とその分枝周囲・右腎中部・左腎下極に造影効果を有する腫瘤を認めた。胃癌のリンパ節転移を疑ったが、悪性リンパ腫の合併やIgG4関連後腹膜線維症の可能性も考えられた。出血コントロール及び腫瘤生検のために10月6日に幽門側胃切除、小腸切除、後腹膜腫瘤生検を施行した。摘出胃標本の病理診断はType2.tub1.ss.int.INFb.ly1.v1.pPM0.pDM0.pN2.pStage3A、Type2.Tub1.mp.int.INFb.ly1.v0.pPM0.pDM0であった。後腹膜腫瘤生検ではリンパ球や形質球の浸潤があり、免疫染色でIgG(IgG4)のびまん性の沈着を認めた。胃癌のリンパ節転移とIgG4関連後腹膜線維症の合併と診断し、11月27日からプレドニゾロン30mgの内服を開始した。2週毎に5mgずつ漸減し2013年1月10日のCTでは軟部陰影の縮小を認めた。【結語】自己免疫性膵炎を始めとしたIgG4関連疾患と悪性腫瘍の合併例は近年報告されるようになっている。今回我々は胃癌に合併したIgG4関連後腹膜線維症の一例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | IgG4, 後腹膜線維症 |