セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y2-2:

吻合部狭窄を伴う食道癌術後胃管癌に対して内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)施行した一例

演者 野口 未央(日本赤十字社和歌山医療センター)
共同演者 中井 智己(日本赤十字社和歌山医療センター), 益田 朋典(日本赤十字社和歌山医療センター), 石井 達也(日本赤十字社和歌山医療センター), 松本 久和(日本赤十字社和歌山医療センター), 東 俊二郎(日本赤十字社和歌山医療センター), 太田 彩貴子(日本赤十字社和歌山医療センター), 信岡 未由(日本赤十字社和歌山医療センター), 岩上 裕吉(日本赤十字社和歌山医療センター), 三長 孝輔(日本赤十字社和歌山医療センター), 谷口 洋平(日本赤十字社和歌山医療センター), 幡丸 景一(日本赤十字社和歌山医療センター), 中谷 泰樹(日本赤十字社和歌山医療センター), 赤松 拓司(日本赤十字社和歌山医療センター), 瀬田 剛史(日本赤十字社和歌山医療センター), 浦井 俊二(日本赤十字社和歌山医療センター), 上野山 義人(日本赤十字社和歌山医療センター), 山下 幸孝(日本赤十字社和歌山医療センター)
抄録 症例は72歳男性。2006年に上部食道癌(T1bN0M0StageII)に対して胸部食道全摘胃管挙上頸部吻合術、胸骨後再建施行された。また、2007年のCTにて上縦隔のリンパ節転移がうたがわれ、放射線化学療法施行された。以後、再発認めず、定期的に経過観察されていた。2012年12月の上部内視鏡検査にて切歯列から30cmの胃管上に10mm大の0-IIc+IIaの早期胃癌を疑う病変を認めた。生検結果はAdenocarcinoma tub1>tub2であった。また、狭窄症状みとめていないものの、切歯列から20cmの吻合部は細径scopeしか通過できない程度に狭窄をみとめている状態であった。拡大内視鏡による観察、ESD目的に吻合部に対して2013年2月食道ブジー施行した。拡大観察、ESD可能な程度まで拡張し、拡大観察では明らかなsm浸潤を疑う所見なくm癌と診断した。続いて、ブジー後数日でESD施行した。縫合線近傍であったが、切除部位は縫合線にはかからず、1時間30分程度で一括切除可能であった。病理結果は高分化型腺癌で深達度T1a/M、ly0、v0、水平垂直断端陰性であり、治癒切除と判定された。近年、治療成績の向上や診断技術の進歩により食道癌術後長期生存例が増加し胃管癌をみとめる例も多くなっている。食道癌術後の胃管癌に対する再手術は侵襲性が高くQOL低下に繋がることも多く、可能であれば内視鏡的切除が好ましい。今回、食道癌術後吻合部狭窄合併胃管癌に比較的安全にESD施行可能であった一例を経験した。若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 胃管癌, ESD