セッション情報 一般演題

タイトル 5:

当院におけるPEG後急性期合併症の検討

演者 滋野 聡(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科)
共同演者 西山 範(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 阿部 友太朗(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 井上 貴功(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 大西 幸作(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 岩谷 修子(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 井上 浩一(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 澁川 成弘(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 石井 修二(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 葛下 典由(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 春名 能通(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 井上 敦雄(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科)
抄録 【背景・目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は長期に渡り経腸栄養を必要とする症例において多くの利点を有することから、近年急速に普及しつつある。しかし一方でPEGは外科的手技によって栄養管を挿管するため、特有の合併症を有する。当院で施行したPEG症例について、その患者背景と術後急性期の各合併症頻度を明らかにし、現行のPEG周術期管理について検討する。【方法】2009年1月から2011年12月までに当科で施行したPEG 382症例を対象とした。これらの患者背景、術後急性期の合併症について検討を行った。【結果】男女比は251:131、平均年齢は72.6歳。ほぼ全例でバンパー型ボタン式(Olympus idial buttan)を使用し、造設方法はIntroducer変法を用いた。原疾患は、脳梗塞・脳出血が136例、次に悪性腫瘍73例、ALSやパーキンソン病などの変性疾患が57例と続いた、その他CPA蘇生後の低酸素血症や慢性心不全・慢性腎不全の進行による廃用症候群などが含まれた。造設目的はそのほとんどが栄養目的であった。PEGに起因する急性期合併症は47例(12%)に認め、その内肺炎は37例(9.7%)とその多くを占め、次に創部感染が5例(1.3%)であった。PEG後3週間以内の急性期死亡は12例(3.2%)に認め、そのうちPEG造設に起因すると判断された症例は、経管栄養再開後に誤嚥性肺炎を起こした3例(0.8%)であった。【結論】当院PEG症例の術後急性期合併症の頻度は全国平均と比較して大きな乖離はなかったものの、肺炎の頻度が比較的高い傾向にあった。【考察】合併症では肺炎が多く、その原因はPEG直後に発生した症例と、経管栄養再開後に発症した症例に分かれる傾向があった。死亡した3例はいずれもPEGからの経管栄養再開後に発症しており、PEG後の栄養療法に起因していると考えられた。造設時および経管栄養再開時の誤嚥性肺炎のリスクについて注意する必要があると考えられた。
索引用語 PEG, 急性期合併症