セッション情報 | パネルディスカッション1 「肝・胆・膵腫瘍性病変早期発見に向けた取り組み」 |
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タイトル | P1-07:肝細胞癌の早期発見におけるEOB-MRIと造影超音波検査の有用性 |
演者 | 井上 達夫(近畿大学医学部附属病院 消化器内科) |
共同演者 | 工藤 正俊(近畿大学医学部附属病院 消化器内科), 村上 卓道(近畿大学医学部附属病院 放射線科) |
抄録 | 目的:Gd-EOB-DTPA MRI(以下EOB-MRI)の肝細胞相で低信号に検出される結節は高率に多血化する事が報告されている。今回我々はこれらの結節の画像因子に着目し、多血化に寄与する因子を解析した。 対象:2008年1月から2011年3月の間に肝内に境界病変を認めた73症例120結節を対象とした。単変量解析により多血化の特徴を検討するとともに、多変量解析にて多血化に寄与する独立因子を検討した。対象患者は男性56症例、女性17症例、平均年齢は72歳、HCV陽性65症例、HBV陽性8症例、EOB-MRIの肝細胞相で計測した平均腫瘍径は9.3mm、平均観察期間は382日であった。 結果:全結節の累積多血化率は1年21%、2年43%であった。単変量解析では肝癌の治療歴あり、造影超音波検査のpost-vascular phaseでhypoが有意な因子として抽出され、多変量解析では造影超音波検査のpost-vascular phaseでhypoのみが有意な多血化に寄与する因子として抽出された。 結論:EOB-MRIの肝細胞相で低信号に描出される乏血性結節は高率に多血化するが、中でも造影超音波検査のpost-vascular phaseでhypoとなる結節は高率に多血化する。 EOB-MRIと造影超音波検査を併用する事で高率に多血化する結節を絞り込む事が可能であり、肝細胞癌の早期発見、早期治療が可能となる。 |
索引用語 | EOB-MRI, 造影超音波検査 |