セッション情報 | シンポジウム2 「原因不明消化管出血の診断と治療の最前線」 |
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タイトル | S2-07:当院におけるダブルバルーン小腸内視鏡による原因不明消化管出血例の検討 |
演者 | 楠本 侑弘(NTT西日本大阪病院 消化器内科) |
共同演者 | 太田 高志(NTT西日本大阪病院 消化器内科), 金子 晃(NTT西日本大阪病院 消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】 近年のカプセル内視鏡(CE:capsule endoscopy)、ダブルバルーン小腸内視鏡(DBE:double balloon enteroscopy)の進歩により、原因不明の消化管出血(OGIB:obscure gastrointestinal bleeding)の診断・治療は飛躍的に向上している。 【対象と方法】 対象は2007年4月~2013年3月に当院にてOGIBに対してDBEが行われた80症例で、顕在性出血群(Overt群、さらに持続する出血群をongoing群と以前に認められていた出血群をprevious群に群分けした)、潜在性出血群(Occult群)に分類し、その診断の結果につき検討した。 【成績】 症例の内訳は、男性51例、女性29例で、平均年齢は66(15-89)歳であった。出血パターンはovert群が68例(85%)、overt群のうちongoing群7例、previous群61例で、Occult群が12例(15%)であった。80例中、39例(48.8%)において出血源の診断可能であった。病変の内訳は、潰瘍性病変が22例(27.5%)、腫瘍性病変が2例(2.5%)、血管性病変が8例(10.0%)、小腸以外の消化管病変が7例(8.75%)であった。Overt群で34例(50.0%)、Occult群では5例(41.7%)において出血源が同定可能であった。出血点が同定できた症例を検討すると、ongoing群とprevious群ともに潰瘍性病変が高頻度であった。 【考察】 原因不明消化管出血においては、顕在性・潜在性問わずDBEにより約半数の症例において出血源の診断が可能であり、積極的に施行すべきと考えられた。 |
索引用語 | OGIB, DBE |