セッション情報 一般演題

タイトル 26:

Melphalan長期間の経口投与にて、12年以上生存している肝原発性アミロイドーシスの1例

演者 西内 明子(笹生病院内科)
共同演者 安東 まや(笹生病院内科), 笹生 幹夫(笹生病院内科)
抄録 症例は70歳代男性。既往歴:著変なし。現病歴:1997年より肝障害があり、近医からの紹介にて2001/5/17に当院初診。画像検査では脂肪肝であり、肝障害の原因不明のため8/14に腹腔鏡肝生検施行目的にて入院。入院時検査成績はT.Bil0.5mg/dl、AST36IU/l、ALT53IU/l、γGTP162IU/l、ch-E580IU/l、LDH150U、HBs抗原(-)、HCV抗体(-)ANA、AMA共に(-)、ICG15分値18%。腹腔鏡所見では肝表面は凹凸性変化を来し、肝の色調は黄白色調であり、脂肪や何かの沈着物質が考えられ、肝硬変症が疑われた。組織所見でも肝組織内の構造は破壊され、肝小葉内に淡い赤色調のhomogeneousな物質の沈着を認めて、コンゴ-レッド染色で陽性、アミロイドの沈着と診断した。他の臓器、胃、大腸、心臓内には沈着はなく、原発性肝アミロイドーシスと診断して、2001/10/16から経口のmelphalanとprednisoloneの併用療法で治療を開始した。治療中腹水の出没を認め、利尿剤投与にて腹水のコントロールを行い、定期的に検査施行し、以後診断治療後12年以上外来にて経過観察中である。【結語】原発性肝アミロイドーシスは予後極めて不良の疾患である。診断後melphalanとprednisoloneの併用療法での治療を続けて、12年以上生存が出来ており、極めて稀な症例であり報告した。
索引用語 腹腔鏡肝生検, 治療