セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 25:アルコール多飲後に内服した健康食品ウコンで重症肝炎を来した1例 |
演者 | 木村 昇(市立岸和田市民病院) |
共同演者 | 藤井 善憲(市立岸和田市民病院), 星 智子(市立岸和田市民病院), 奥山 俊介(市立岸和田市民病院), 田中 裕一(市立岸和田市民病院), 毛利 陽一(市立岸和田市民病院), 高谷 晴夫(市立岸和田市民病院), 梶村 幸三(市立岸和田市民病院) |
抄録 | 症例は40歳男性。主訴は腹部鈍痛、嘔吐、食欲不振、微熱。現病歴は平成25年3月19日の午後6時から翌日午前3時まで大量のアルコールを摂取し、2日酔いの予防目的に健康食品であるウコンを内服したところ気分不良出現し嘔吐した。症状持続する為3月22日近医受診。採血にて高度の肝障害を認めたため当院紹介受診、精査加療目的に入院となった。入院時身体所見は、意識清明、右季肋部圧痛、1横指の肝腫大あり。その他に特記すべきことなし。飲酒歴はほぼ毎日ビール1.5litter、月に1,2回ビール5litter 摂取。ウコン歴は1年前から月に1,2回、1カプセル(グルクミン160mg 含有)を内服する程度。入院時血液データ所見は、WBC:2610/μl Hb:15.5g/dl Plt:15.1万/μl PT:36% GOT:24886U/l GPT:10795U/l ALP:258U/l LDH:12342U/l γ-GTP:753U/l TP:7.1g/dl Alb:4.5g/dl BUN:18mg/dl Cre:1.63 mg/dl T.cho:217mg/dl P-Amy:34U/l NH3:70μg/dl D.bil:1.2mg/dl T.bil:2.5mg/dl IgG:915mg/dl IgM:165mg/dl HBsAg(-) HCVAb(-) ANA(-) AMA:(-)と、PTが40%以下でNH3が軽度高値を伴う重症肝炎を認めた。入院時の腹部単純CTは脂肪肝所見を認めるのみだった。ウコンのリンパ球刺激試験は陽性だった。アルコール性肝障害と薬剤性肝障害の合併として入院の上経過観察していたが、意識障害を来すことなく順調に回復し4月10日退院となった。1か月間アルコールを摂取せず肝障害がほぼ正常化した時に再度ウコンのリンパ球刺激試験を施行したところ今回は陰性であった。アルコール多飲後に健康食品ウコン内服にて重症肝炎を来した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 薬剤性肝炎, 健康食品 |