セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y5-01:

膵胆管合流異常症を伴ったgroove膵炎の一例

演者 井上 博登(滋賀医科大学医学部附属病院 消化器内科)
共同演者 塩谷 淳(滋賀医科大学医学部附属病院 消化器内科), 馬場 重樹(滋賀医科大学医学部附属病院 消化器内科), 稲富 理(滋賀医科大学医学部附属病院 消化器内科), 佐々木 雅也(滋賀医科大学医学部附属病院 栄養治療部), 安藤 朗(滋賀医科大学大学院 感染応答免疫調整部門), 藤山 佳秀(滋賀医科大学医学部附属病院 消化器内科)
抄録 【症例】60歳代男性。【主訴】上腹部痛。【現病歴】NASHにて当科外来フォロー中の患者。深夜から上腹部痛が出現し、翌日の昼頃より腹痛の増強を認めた。近医でブスコパンを投与するも改善を認めず、当院に救急搬送された。白血球数・アミラーゼの上昇と腹部造影CTにて主膵管乳頭部に結石を示唆する点状の高吸収域と膵groove領域の低吸収を認めたため胆石性急性膵炎として緊急ERCPを施行した。膵管造影にて十二指腸壁外に総胆管が合流している所見を認め、また、胆汁中のアミラーゼも高値であり非拡張型の膵胆管合流異常症と診断した。総胆管結石が合流部に嵌頓したことによる膵管閉塞で膵炎が起こったと考えられ膵管ステントとENBDを留置した。第2病日に腹痛の再燃を認めたため再度ERCPを施行した。胆管造影で総胆管下部に陰影欠損を認め、リトリーバルバルーンにて採石を試みたところ、結石ではなく黄色透明のゼリー状物質が排出された。処置後、腹痛は消失しアミラーゼも低下した。【考察】groove膵炎は90%が長期飲酒歴のある男性に見られるgroove領域の膵炎である。groove膵炎と膵胆管合流異常症の関連について報告した論文は医中誌で1本しか認めなかった。ゼリー状物質は合流部に発生した蛋白栓と考えられ、蛋白栓によりgroove膵炎を発症した可能性が推測された。
索引用語 groove膵炎, 膵胆管合流異常症