セッション情報 | Freshman Session(卒後2年迄) |
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タイトル | F4-04:腸重積を起こした下行結腸巨大腫瘍をESDにて切除した1例 |
演者 | 岩田 幸真(関西労災病院 消化器内科) |
共同演者 | 中村 剛之(関西労災病院 消化器内科), 水谷 直揮(関西労災病院 消化器内科), 明神 悠太(関西労災病院 消化器内科), 村井 大毅(関西労災病院 消化器内科), 土居 哲(関西労災病院 消化器内科), 吉水 祥一(関西労災病院 消化器内科), 嶋吉 章紀(関西労災病院 消化器内科), 小豆澤 秀人(関西労災病院 消化器内科), 戸田 万由良(関西労災病院 消化器内科), 糸瀬 一陽(関西労災病院 消化器内科), 柄川 悟志(関西労災病院 消化器内科), 望月 圭(関西労災病院 消化器内科), 伊藤 善基(関西労災病院 消化器内科), 萩原 秀紀(関西労災病院 消化器内科), 林 紀夫(関西労災病院 消化器内科) |
抄録 | 【症例】30代女性【現病歴】20xx年5月に腹部違和感を自覚し、近医受診。便潜血陽性であったため下部消化管内視鏡検査を施行され、下行結腸に粘膜面正常ののう胞様隆起性病変を認めたため当科紹介となり、当院で行った大腸内視鏡検査にて肛門縁より50-37cmに病変を認めた。造影CTにて下行結腸からS状結腸にかけて重積を認めたが先端は指摘できず、注腸造影では脾弯曲部からS状結腸にかけて腫瘤をみとめた。上記腫瘍切除目的に20xx年6月に当科入院となった。【入院後経過】留置スネア施行後にpolypectomyを行ったが、頚部の途中までを3分割で切除したのみであった。術後も腹部違和感は残存したためESDにて根部より腫瘍を切除した。腫瘍中央部に太い血管を認め、クリッピングと焼却処理を行いながらESDを進めたが術中に動脈性出血と静脈性出血を繰り返し、輸血を必要とした。明らかな腸管穿孔は認められなかったが、術後38℃の熱発と軽度の反跳痛を認めたためセフメタゾールを投与した。術後2日目に流動食摂取後、凝血塊を含む下血を認めた。バイタルは著変なく、Hbの低下も認められなかったため、再度絶食とし保存的加療を行った。腫瘍切除後、腹部違和感は消失し、経過は良好であり術後7日目に退院となった。切除標本は10cm程度の粘膜下腫瘍様の隆起病変であり、病理学的に先端は脂肪腫でありその他の部位は全層性の腸管粘膜が二重に折りたたまれた構造をしていた。この脂肪腫が腸重積を起こすことで、腸管粘膜が牽引され腸管壁が浮腫性変化をおこし隆起性病変を形成し上記のような二重構造を呈していたと推測できる。【結語】腸重積をおこしていた下行結腸巨大腫瘍をESDにて切除した稀な症例を経験したので文献的考察を含めて報告する。 |
索引用語 | ESD, 巨大腫瘍 |