セッション情報 |
パネルディスカション「炎症性腸疾患の内科・外科境界領域」
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タイトル |
P-04:難治性潰瘍性大腸炎における早期手術予測因子
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演者 |
伴 宏充(滋賀医科大学 消化器内科) |
共同演者 |
安藤 朗(滋賀医科大学 大学院 消化器免疫分野), 藤山 佳秀(滋賀医科大学 消化器内科) |
抄録 |
【目的】当院では中等症から重症の難治性潰瘍性大腸炎に対して、積極的にカルシニューリン阻害剤(calcineurin inhibitor : CNI)による寛解導入療法を行っており高い有効性を示しているが、治療抵抗性で早期に手術を必要とする症例も少なからず存在する。今回我々はCNI導入時の検査所見から早期に手術へ移行する予測因子の検討を行った。【方法】1999年7月から当院にてCNIによる寛解導入療法を行った難治性潰瘍性大腸炎 86症例のうち、以下に示す検査所見が得られた80症例(cyclosporin A : CsA 50例、Tacrolimus : Tac 30例)を対象とした。CNI開始後60日以内に手術に移行した12症例(CsA 10例、Tac 2例)を早期手術群として、CNI導入時の罹病期間、ヘマトクリット値、白血球数、リンパ球数、血小板数、アルブミン値、CRP、小野寺のPNI(prognostic nutritional index : 10×Alb+0.005×総リンパ球数)、C7HRPについて検討を行った。【成績】早期手術群(A群)と非早期手術群(B群)で有意差が認められたのは、ヘマトクリット値(A群30.0%、B群35.6%、P=0.006 )、アルブミン値(A群2.95g/dl、B群3.43g/dl、P=0.02 )、PNI(A群34.1、B群40.3、P=0.007 )であった。PNIは低いほど早期手術率が高くなり30未満の症例では約半数が早期手術に移行した。【結論】難治性潰瘍性大腸炎に対するCNI治療を行う際、PNIが41未満の症例では早期手術の可能性を念頭に置いた治療戦略を考慮すべきと考えられた。特にPNI30未満の症例では手術を積極的に考慮すべきであると考えられた。 |
索引用語 |
カルシニューリン阻害剤, 早期手術 |