セッション情報 | Freshman Session(卒後2年迄) |
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タイトル | F3-03:C型肝炎に合併した自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の一症例 |
演者 | 小倉 佑太(医療法人 明和病院 内科) |
共同演者 | 岸 清彦(医療法人 明和病院 内科), 芝 俊成(医療法人 明和病院 内科), 前田 晃宏(医療法人 明和病院 内科), 澤崎 美幸(医療法人 明和病院 内科), 高屋 豊(医療法人 明和病院 内科), 早川 勇二(医療法人 明和病院 内科), 覚野 綾子(医療法人 明和病院 病理診断科), 林 邦雄(医療法人 明和病院 血液内科) |
抄録 | 症例:70歳代 女性主訴:全身倦怠感既往歴:H23.11早期盲腸癌現病歴:前医にて貧血精査目的に下部消化管内視鏡検査を行ったところ、早期盲腸癌が見つかり、当院外科へ紹介、外科的手術療法が行われた。しかし術後も貧血、脾腫が認められるため、H24.4内科へ紹介された。白血球:2100、赤血球:276万、Hb:9.1、Ht:28.4、血小板:12.7万と汎血球減少が認められた。また、HCV抗体陽性であったが、門脈圧亢進を示唆する所見はなかっため、某大学病院血液内科を紹介、精査を行った。骨髄には異常なく、脾機能亢進が貧血の原因として挙げられた。その後貧血、脾腫は自然軽快したため経過観察することとした。しかしH25.5/1全身倦怠感を主訴に、前医から緊急紹介受診された。その時、白血球:5400、赤血球:181万、Hb:5.8、Ht:17.0、血小板:17.4万と著明な正球性貧血を示していた。同日精査加療目的に入院となった。T-B:3.5、D-B:0.9と間接ビリルビン優位、LD:359と軽度上昇。消化管内視鏡検査では出血源は無く、腹部CTでは脾腫増悪を認めた。抗核抗体640倍と高く、補体C3:80、C4:3と軽度低値。血清蛋白免疫電気泳動は正常。クリオグロブリン陰性。ハプトグロビン低値、網赤血球は0.7%と上昇を認めなかった。しかし血液検体にて寒冷凝集が認められ、直接クームス試験陽性、また骨髄液では赤芽球系の過形成が認められ、AIHA(寒冷凝集素症)と診断した。なお、網赤血球はやや遅れて増加した。プレドニゾロン20mg/日を投与したところ、貧血を改善し維持できた。肝炎の増悪は認められなかった。考察:HCVはクリオグロブリン血症、膜性増殖性糸球体腎炎、シューグレン症候群、悪性リンパ腫などの多くの肝外病変を引き起こすが、AIHAの合併報告はまれである。しかし米国からの報告では、HCV陽性者は陰性者に対してハザード比2.8と有意にリスクが上昇する。肝外病変の一つとして留意しなければならない病態である。 |
索引用語 | C型肝炎, 肝外病変 |