セッション情報 | Young Investigator Session(卒後3-5年迄) |
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タイトル | Y1-01:抗ウィルス療法未施行にも関わらず一過性にHCV-RNA定量が検出感度以下となった2例 |
演者 | 渡邉 幸太郎(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科) |
共同演者 | 薗 誠(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 原田 威徳(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 西村 聡(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 橋本 佳愛子(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 木村 典世(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 廣橋 研志郎(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 牟田 優(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 渡辺 昌樹(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 加藤 洋子(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 工藤 寧(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 山内 淳嗣(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 河野 孝一朗(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 高 忠之(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 淺田 全範(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 福永 豊和(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 川口 清隆(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科), 八隅 秀二郎(公益財団法人 田附興風会医学研究所 北野病院 消化器センター 内科) |
抄録 | 【緒言】C型肝炎ウィルスは感染後 60-70%程度は慢性化し、慢性化後に自然軽快することは極めて稀とされており、本邦では少数の報告例がみられるのみである。当院でも抗ウィルス療法未施行にも関わらず、HCV-RNA定量が検出感度以下となった2例を経験したため報告する。【症例】症例1は60歳代女性、2006年に他院でC型慢性肝炎を指摘され、以後は肝庇護療法のみで加療されていた。2012年10月 胃前庭部癌(cT4NxM1, cStageIV)と診断され、2012年11月21日より化学療法を施行し。投与初期に抗癌剤による薬剤性肝障害を認めたものの、治療効果は良好であり、2013年2月27日 幽門側胃切除および横行結腸切除、傍大動脈リンパ節郭清、Roux-en-Y再建術を施行した。術後1ヵ月後に抗ウィルス療法の適否を検討するための血液検査でHCV-RNA定量の陰性化を認め、3ヶ月後の再検でもHCV-RNA定量は陰性であった。症例2は80歳代男性、2007年 びまん性大細胞B細胞リンパ腫(DLBCL)の化学療法(R-CHOP)施行時にHBV既感染(HBs抗体陽性、HBc抗体陽性)、C型慢性肝炎(Genotype 2b、HCV-RNA定量 5.7LogIU/mL)を指摘され、HBV既感染に対してラミブジン療法を開始したが、C型肝炎については経過観察としていた。化学療法の終了1年後より、約6年に渡ってHCV-RNA定量は低反応~陰性化(2.8LogIU/mL~検出せず)を認めるようになった。【考察】慢性肝炎の経過中に急性増悪を契機にHCV-RNA定量が陰性化したC型慢性肝炎の症例も報告されており、今回の症例は抗癌剤による薬剤性肝障害や化学療法が契機となって免疫応答が働き、HCVに対する免疫を獲得したものと考えられた。 |
索引用語 | HCV-RNA, 肝臓 |