セッション情報 |
パネルディスカション「炎症性腸疾患の内科・外科境界領域」
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タイトル |
P-03:潰瘍性大腸炎に対するタクロリムスの有用性
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演者 |
佐々木 翔(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科 ) |
共同演者 |
松井 佐織(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科 ), 菅原 淳(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科 ) |
抄録 |
【目的】潰瘍性大腸炎の治療としてタクロリムスが承認され治療効果が報告されている。当院におけるタクロリムスの治療成績、副作用、予後などを検討した。【方法】対象は2013年10月までに当院にてタクロリムスを経口投与された潰瘍性大腸炎17例(男13例、女4例、平均38.7歳)とした。重症度は中等症10例、重症7例、罹病期間は平均4.9年、病型は全大腸型11例、左側型6例であった。ステロイド依存例8例、抵抗例4例、未使用5例で、治療前のステロイド総投与量は平均2880mgであった。治療前、治療後2週、4週、12週以後の活動性についてLichitiger Index(CAI)、内視鏡所見についてBaron indexを用いて評価した。【結果】目標血中トラフ値に達するまでの日数は平均7.0日、トラフ値10ng/ml以上の維持期間は平均15日であった。投与前CAIは平均9.5であったが、2週後の平均2.9、3ヶ月後の平均1.7であった。CAI4以下を寛解と定義すると、4週までに12例が寛解導入し、4例で無効であった。 Baron indexは投与前は平均2.1であり、寛解例では2-4週後には平均1.5と改善を認めた。全ての症例は投与3か月で内服を終了し、維持療法は基本的にはAZA/6MPの内服とした。2例は妊娠希望とAZAによる膵炎既往にてIFXとした。無効4例のうち、2例は緊急手術となり、ほか2例はステロイド強力静注、IFXにより寛解導入となった。3カ月以降の長期奏功率は、2例が再燃しIFXにて寛解導入、維持療法をした。有害事象は、腎障害5例、低Mg血症7例、手指振戦2例、ほてり1例を認めたが、いずれも治療を中断する程度には至らなかった。【結論】タクロリムスは、重症・中等症例に対する寛解導入の選択肢として有用であった。ただし、寛解導入後の維持療法などについて課題があり今後の症例の蓄積が必要である。 |
索引用語 |
潰瘍性大腸炎, タクロリムス |