セッション情報 一般演題

タイトル 22:

内科診療所にてIFN治療中に発癌したC型慢性肝炎3症例の検討

演者 菅野 雅彦(すがの内科クリニック)
共同演者 松野 たか子(すがの内科クリニック), 永田 聖華(すがの内科クリニック), 前川 直子(すがの内科クリニック), 中島 英信(高槻病院 消化器科), 生田 真一(明和病院 外科), 坂本 一夫(城陽江尻病院 放射線科)
抄録 【目的】当院にてH17年12月以来C型慢性肝炎のIFN治療を行ってきた178症例中3例にHCCが発症したため報告。【症例1: 55M】52 歳時にS8HCCに対し重粒子線治療を受け、CRにてpegIFNα2b/REV治療を受けるもウイルス消失に至らず、53歳時よりHLBIによる少量長期治療中、主治医転勤にて22年3月より当院で継続加療。同年3月のUSにてS2に低エコー結節、4月に造影USにて早期膿染あり、8月に血管造影にてHCCと診断TACE及びRFA施行。HCC発症時HCV-RNA5.3logIU/mL, ALT38IU/L, Plt20.1/mm3, AFP8.6ng/mL, PIVKA-II69 mAU/mL。昨年7月に追加手術も行い現在化学療法を継続中。【症例2: 78M】68歳時にpegIFNα2b/REV治療を受けPRにてHLBIによる維持療法中にRCCを発症し66歳時手術。RCC治療と兼ねてHLBIによる少量長期治療を開始後ウイルスは消失。しかし昨年6月に咳を中心とする呼吸器症状が出現し呼吸器科指示にて8月までIFN中止、RNA6.1と再出現。投与再開にて11月以降はvirus陰性を維持。本年1月USにてSOLなし、6月のUS・MRIにてS5に低ccho結節疑い、造影USにてHCCと確診しRFA治療。HCC発症時RNA陰性, ALT18, Plt41.4, AFP4.6, PIVKA-II51。【症例3: 78M】60歳頃健診でCH-Cの指摘を受けるも放置、昨年4月に息子の勧めで治療目的に初診。すでにPreLCではあったが、元気な方で治療意欲もあり6月よりIFNβ、7月よりREVも追加し治療を開始中。本年1月に仕事にて治療中断しvirus再増加、5月よりpegIFNα2a/REVに切り替え治療再開、8月以降RNAは陰性化。4月USにてSOLなし、8月に食指不振の増悪にてUS再検、S8に低ccho結節を2個疑い、造影USにてHCCと診断、TACE後RFA治療。HCC発症時RNA検出せず, ALT18, Plt5.3, AFP15.8, PIVKA-II260。【まとめと考案】症例1, 3では、おそらくIFN治療前に既に発見できない大きさの腫瘍が存在していたと思われ、症例2は発症時血小板急増を認めた。IFN治療中特にRNA陰性化するとUSの間隔がつい開いてしまう事が多いが、HCC早期発見のためにhigh risk症例では頻回のUSが大切と考える。
索引用語 C型肝炎, インターフェロン