セッション情報 一般演題

タイトル 04:

繰り返す便秘の後イレウスを契機に発見された小腸癌の一例

演者 谷村 知紀(大阪回生病院 消化器科)
共同演者 谷口 友佳子(大阪回生病院 消化器科), 辺見 英之(大阪回生病院 消化器科), 杉本 佳子(大阪回生病院 消化器科), 中村 恵理子(大阪回生病院 消化器科), 渡部 幸一郎(大阪回生病院 消化器科), 今泉 尚彦(大阪回生病院 消化器科), 岸田 隆(大阪回生病院 消化器科), 谷村 博久(大阪回生病院 消化器科)
抄録 症例は71歳男性。平成23年末より腹部膨満感と便秘を自覚し、他院にて平成24年1月大腸検査を施行されるも異常なく内服にて経過観察されていた。平成24年10月26日右下腹部痛、便秘を主訴に当院初診。CT、大腸内視鏡検査施行したが異常なく通院で経過を見ていた。その後嘔吐、腹痛があり平成25年2月1日当院受診。同日CTにて回腸末端の壁肥厚および口側腸管の拡張を認めイレウスの診断で入院。2月5日大腸内視鏡検査施行したが回腸末端に病変を観察できず、2月12日経肛門的ダブルバルーン内視鏡施行し回腸末端より10cmの部位に全周性の腫瘍性病変あり組織生検でadenocarcinomaの診断。PET-CTで原疾患以外には明らかな転移は認めず、2月22日腹腔鏡補助下回盲部切除施行した。切除標本の病理組織学的所見は漿膜にまで浸潤する低分化型管状腺癌で、リンパ管侵襲、脈管侵襲、リンパ節転移を認めた。術後経過良好にて3月1日退院。その後術後補助化学療法としてTS-1内服を開始したが、7月のPET-CT検査で肝転移が発見され局所治療としてRFA施行した。現在は術後補助化学療法としてmFOLFOX6をおこなっている。原発性小腸癌は消化管悪性腫瘍において稀な疾患であり、今回我々は繰り返す便秘の後イレウスを契機に原発性小腸癌を術前に診断し得た症例を経験した為、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 小腸癌, ダブルバルーン内視鏡