セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y4-08:

化学療法が奏功した胃癌による癌性心膜炎の一例

演者 池田 大輔(大阪市立大学 医学部 消化器内科)
共同演者 真下 勝行(馬場記念病院), 新井 貴久(馬場記念病院), 平田 直人(馬場記念病院), 河内屋 友宏(馬場記念病院), 原 順一(馬場記念病院), 荒川 哲男(大阪市立大学 医学部 消化器内科)
抄録 症例は64歳、男性。2012年2月から食欲不振、嘔吐、心窩部痛を認めたため当院を受診した。上部消化管内視鏡検査にて前庭部に全周性の3型進行胃癌を認め、生検を施行したところ、中分化型腺癌であった。またCT、エコー検査にて多発肝転移、多発リンパ節転移を認め、進行胃癌stageIVと診断した。同年3月から化学療法(S-1+CDDP)を開始した。4クール施行し、PRであった。しかし同年10月、呼吸苦、体重増加のため再入院した。CT、心エコーにて多量の心嚢液貯留を認め、心タンポナーデと診断した。緊急心嚢ドレナージを施行した。心嚢液細胞診でclassVを検出し、癌性心膜炎と診断した。同年10月から二次治療(Weekly PTX)を開始した。約1か月で心嚢液は著明に減少した。外来でさらに3クール施行した。2013年1月、再び心嚢液貯留を認め、三次治療(S-1+CPT-11)を開始した。再度心嚢液は減少し、計3クール施行した。三次治療開始3か月後の4月、再度心嚢液が貯留した。全身状態が悪化していたため、緩和医療を行った。初診から15か月後、癌性心膜炎発症から8か月後永眠された。生前に診断された胃癌の癌性心膜炎は稀で、【胃癌】【癌性心膜炎】をキーワードに医学中央雑誌で文献検索したところ、自例を含めて27例の報告のみ(会議録は除く)であった。若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 胃癌, 癌性心膜炎