セッション情報 一般演題

タイトル 29:

関節リウマチに併発しステロイド大量静注療法で粘膜治癒に至った潰瘍性大腸炎の1例

演者 澁川 成弘(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科)
共同演者 滋野 聡(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 鳥住 知安記(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 阿部 友太朗(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 井上 貴功(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 大西 幸作(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 岩谷 修子(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 井上 浩一(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 長谷川 徳子(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 石井 修二(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 西山 範(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 葛下 典由(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 春名 能通(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科), 藤原 弘士(大阪府立急性期・総合医療センター 免疫リウマチ科), 井上 敦雄(大阪府立急性期・総合医療センター 消化器内科)
抄録 症例は40歳代女性.関節リウマチ(RA)で近医加療中であった.2009年3月より血便を認め,頻回となったため4月に他院で下部消化管内視鏡検査(CS)を行い全大腸炎型潰瘍性大腸炎(UC)と診断された.5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤開始されるも持続性の腹痛,嘔吐を認めるようになり,5月に当センター時間外外来を受診し当科へ緊急入院となった.入院後,5-ASA製剤を極量まで増量し寛解導入された.12月に再燃し,プレドニゾロン(PSL)にて再寛解導入し以後再燃なく経過し2010年12月にCSで粘膜治癒を確認した.RAに対しては当科初回入院以降は当センター免疫リウマチ科で加療され,アダリムマブ(ADA),ブシラミン,メトトレキサート(MTX)を投与され寛解維持されていた.2012年5月,当センター産婦人科で子宮頚部上皮異型成と診断され,周術期にADAを休薬したところ両疾患とも再燃した.UCに対し5-ASA注腸,連日顆粒球除去療法(GMA)を行い臨床的寛解となるも2か月後に再燃した.12月に入院の上で第2病日よりステロイド大量静注療法を行ったところ,RAとともに速やかに臨床的寛解となった.ADA,ブシラミン,MTXは入院時より中止し,第12病日よりアザチオプリンを開始し10週間後にCSで粘膜治癒を確認した.今回我々はRAに併発した全大腸炎型UCの1例を経験した.RAに併発したUCの報告例は少ないものの,両疾患には治療薬剤に共通点も多く,主治医間でのより綿密な連携が必要であり,示唆に富む経過と考え文献的考察を含め報告する.
索引用語 潰瘍性大腸炎, 関節リウマチ