セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F1-05:

術前診断が困難であった胃glomus腫瘍の一例

演者 雨宮 可奈(京都第二赤十字病院)
共同演者 猪上 尚徳(京都第二赤十字病院), 川勝 雪乃(京都第二赤十字病院), 藤井 康智(京都第二赤十字病院), 和田 浩典(京都第二赤十字病院), 上田 悠輝(京都第二赤十字病院), 白川 敦史(京都第二赤十字病院), 岡田 雄介(京都第二赤十字病院), 真田 香澄(京都第二赤十字病院), 中瀬 浩二朗(京都第二赤十字病院), 萬代 晃一朗(京都第二赤十字病院), 鈴木 安曇(京都第二赤十字病院), 河村 卓二(京都第二赤十字病院), 河端 秀明(京都第二赤十字病院), 宮田 正年(京都第二赤十字病院), 盛田 篤広(京都第二赤十字病院), 田中 聖人(京都第二赤十字病院), 宇野 耕司(京都第二赤十字病院), 安田 健治朗(京都第二赤十字病院)
抄録 症例は74歳女性。2010年に直腸癌に対して、腹腔鏡下直腸低位前方切除術が施行されている。前胸部違和感の精査目的に、前医で上部消化管内視鏡を施行したところ、胃角部小弯に粘膜下腫瘍を認めたため、当院へ紹介となった。血液検査では、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)は正常で、貧血も認めなかった。腹部エコーでは、胃壁から連続して壁外へ突出する28mm大の辺縁やや分葉状の低エコー腫瘤を認め、内部に石灰化を伴っていた。造影CTでは、20mm強の境界明瞭、辺縁やや分葉状で早期より濃染される腫瘤として描出された。一部に変性・壊死と考えられる低吸収域や小石灰化が散在していた。上部消化管内視鏡ではクッションサイン陰性で、超音波内視鏡では固有筋層と連続し壁外に突出する内部不均一な低エコー腫瘤として描出され、内部に石灰化を伴っていた。EUS-FNAでは、確定診断には至らなかったが、画像所見から20mm以上のGISTと考え、腹腔鏡下胃部分切除を行った。切除標本では筋層から漿膜下層を主座とする23mm大の多結節状の腫瘤であり、組織学的には腫瘍細胞は粘膜下層から漿膜下層に存在していた。免疫染色ではSMAとHHF-35が陽性、desminは陰性で、glomus腫瘍と診断した。胃原発のglomus腫瘍は稀であり、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 グロームス腫瘍, 胃粘膜下腫瘍