セッション情報 ワークショップ15(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

総胆管結石症に対する治療法の選択と長期成績 (EST:内視鏡的治療 vs LCBDE:腹腔鏡下手術)

タイトル 外W15-4:

単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術からみた、内視鏡的総胆管結石採石術後の有石胆嚢合併総胆管結石症

演者 今井 健一郎(帝京大ちば総合医療センター・外科)
共同演者 安田 秀喜(帝京大ちば総合医療センター・外科), 幸田 圭史(帝京大ちば総合医療センター・外科)
抄録 当科では有石胆嚢合併総胆管結石症に対しては、まず内視鏡的乳頭括約筋切開術を付加した内視鏡的総胆管結石採石を行い、後日腹腔鏡下胆嚢摘出術を行うことを基本方針としている。腹腔鏡下胆嚢摘出術は,近年のReduced port surgeryの概念の浸透により単孔式が増加している。【目的】経乳頭的総胆管結石採石術後の単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の成績を検討した。【方法】2009年1月から2011年3月までに当科で有石胆嚢合併総胆管結石に対して経乳頭的総胆管結石採石術+従来式腹腔鏡下胆嚢摘出術(従来群)を行った症例は13例、経乳頭的総胆管結石採石術+単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(単孔群)を行った症例は7例であった。従来群、単孔群で、鏡視下手術完遂率、術中出血量、手術時間、術後合併症、術後在院日数、経乳頭的総胆管結石採石術を含めた総入院日数を比較した(中央値)。【結果】鏡視下手術完遂率は、従来群、単孔群でともに100%であった。従来群1例で術中胆管損傷が発生し鏡視下で修復した。単孔群1例で炎症のため1ポート追加を必要とした。出血量は両群ともに10ml以下であった。手術時間は従来群98分、単孔群110分であった。術後合併症は両群でみられなかった。術後在院日数は従来群、単孔群ともに4日であった。経乳頭的総胆管結石採石術を含めた総入院日数は従来群15日、単孔群16日であった。【結論】有石胆嚢合併総胆管結石は胆嚢自体の炎症は軽度である場合が多く、経乳頭的総胆管結石採石術後の単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の良い適応である。
索引用語 単孔式, 有石胆嚢合併総胆管結石症