セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 09:大腸のDieulafoy's lesionからと思われる噴出性出血に対して内視鏡的結紮術(EBL)が有効であった2例 |
演者 | 玉置 大(医仁会 武田総合病院) |
共同演者 | 山口 智裕(医仁会 武田総合病院), 上田 智大(医仁会 武田総合病院), 柏 敦文(医仁会 武田総合病院), 藤永 陽介(医仁会 武田総合病院), 滝本 見吾(医仁会 武田総合病院), 松山 希一(医仁会 武田総合病院) |
抄録 | 【はじめに】大腸のDieulafoy's lesionは胃に比べて頻度が低いものの、活動性の出血を起こすものとして報告が散見される。今回、大腸のDieulafoy's lesionからと思われる噴出性出血に対して、内視鏡的結紮術(EBL)が有効であった2例を経験したので報告する。 【症例1】85歳男性。深夜から早朝にかけて大量の血便があり受診。既往歴は高血圧と慢性腎臓病。低用量アスピリンを内服中。造影CT検査にて上行結腸に造影剤の血管外漏出像があり、下部消化管内視鏡検査にて上行結腸の肝弯曲寄りに拍動を伴った噴出性出血を認めた。周囲粘膜は正常粘膜であり、憩室や潰瘍は伴っていなかった。持続性出血のため視野確保が困難であったが、EBLによって止血成功。結紮範囲内に破綻した動脈と思われる部位を認めた。輸血を施行してから入院加療を続け、第14病日に退院となる。 【症例2】90歳男性。大量の新鮮血がオムツ内にあることを介護施設の職員が発見し救急受診。既往歴は高血圧、S状結腸癌手術、認知症。直腸診にて便塊を触れ、付着する便は非血性であるものの、肛門から持続的に新鮮血の排出を認めた。下部消化管内視鏡検査にて直腸下部に拍動を伴った噴出性出血を認めたが、内痔核や潰瘍は伴っていなかった。肛門に近いことと持続的に出血していることから、視野の確保が困難であったが、EBLにて止血成功。結紮範囲内に、出血点と思われるred spotを認めた。その後は再出血を認めなかったが、誤嚥性肺炎のため第37病日に死亡退院となる。 【まとめ】疾患の特性上病理学的な検討はできていないが、大腸のDieulafoy's lesionからと思われる下部消化管出血を2例経験した。大腸は胃に比べて腸管内腔が狭く、噴出性の出血では視野確保が困難となることが多い。近年、大腸憩室出血に対するEBLの報告が散見されるようになり、再出血率が低く、安全性も高いとされている。今回、視野確保が困難でクリップなどの使用が躊躇われた症例に対して、EBLが有効であったので報告する。 |
索引用語 | 下部消化管出血, 内視鏡的結紮術 |