セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 40:集学的治療により4年以上の長期生存が得られている手術不能進行胃癌の1例 |
演者 | 志柿 泰弘(愛仁会 高槻病院 消化器内科) |
共同演者 | 田中 雄志(愛仁会 高槻病院 消化器内科), 中野 遼太(愛仁会 高槻病院 消化器内科), 徳山 長裕(愛仁会 高槻病院 消化器内科), 松本 尊彰(愛仁会 高槻病院 消化器内科), 北見 元哉(愛仁会 高槻病院 消化器内科), 石村 恵美(愛仁会 高槻病院 消化器内科), 角山 沙織(愛仁会 高槻病院 消化器内科), 中島 英信(愛仁会 高槻病院 消化器内科), 中田 秀史(愛仁会 高槻病院 消化器内科), 角田 力(愛仁会 高槻病院 消化器内科), 大須賀 達也(愛仁会 高槻病院 消化器内科), 長谷川 和範(愛仁会 高槻病院 消化器内科), 平野 誠一(愛仁会 高槻病院 消化器内科), 跡部 優(愛仁会総合健康センター), 田村 孝雄(近畿大学医学部腫瘍内科), 早雲 孝信(愛仁会 高槻病院 消化器内科) |
抄録 | 症例は59歳女性である。心房細動等で当院循環器内科通院加療中であったが2009年5月末頃より嘔気を自覚された。上部消化管内視鏡を施行し胃体部から前庭部にかけて4型進行胃癌を認め組織生検では印環細胞癌であった。腹部CTで大網転移、腹膜転移の所見を認めcStage4bの胃癌と診断し同年7月からTS-1+CDDP併用療法を開始した。3クール施行しPRであったが薬剤性溶血による黄疸が出現し、化学療法を一時休止した。自然経過にて黄疸が改善したため同年11月からWeekly Paclitaxel療法を開始したところ1年4ヶ月にわたりSDを維持した。しかし2011年3月に癌の総胆管浸潤による閉塞性黄疸が出現し内視鏡的に胆管メタリックステントを留置した。減黄効果が良好であり、2011年5月からCPT-11+CDDP併用療法を開始し同年10月まで7クール施行した。11月に癌の上部胆管へのovergrowthによる閉塞性黄疸をきたしたため胆管メタリックステントを追加留置した。少量のCDDPで骨髄抑制をきたし、低Mg血症も出現したためCDDPは中止し、2012年1月からCPT-11単独療法へと変更しTS1単剤、Docetaxel療法と作用機序の異なる薬剤へローテーションして化学療法を継続した。しかし癌は進行し2013年1月には胃幽門部狭窄をきたし嘔吐を認めたが消化管ステントを留置し5分粥程度の食事摂取は可能となった。2013年1月末からCPT-11単独療法を減量して再開し8ヶ月にわたりSDを維持したが同年9月にPDと判断した後は5FU+l-LV併用療法へ変更した。手術不能進行胃癌の5年生存率は数%程度と言われている。今回我々は集学的治療にて胃癌発見時から4年以上もの長期生存が得られている手術不能進行胃癌の1例を経験したので報告する。 |
索引用語 | 進行胃癌, 化学療法 |