セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y4-05:

内視鏡下生検を契機に出血性胃潰瘍を呈し胃MALTリンパ腫に合併した限局性胃アミロイドーシスの1例

演者 小川 裕之(奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科)
共同演者 沢井 正佳(奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科DELIMITER奈良県立医科大学 中央内視鏡・超音波部), 石田 光志(奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科), 錦織 麻衣子(奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科), 高谷 広章(奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科), 北出 光輝(奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科), 浪崎 正(奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科), 田原 一樹(奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科), 吉田 太之(奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科), 美登路 昭(奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科), 吉冶 仁志(奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科), 山尾 純一(奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科DELIMITER奈良県立医科大学 中央内視鏡・超音波部), 福井 博(奈良県立医科大学 消化器・内分泌代謝内科)
抄録 【症例】18歳,女性【主訴】心窩部痛,タール便【現病歴】2011年6月(16歳)より,胃MALTリンパ腫(生検で粘膜内にリンパ濾胞形成,単核細胞:形質細胞様細胞多数がみられ,免疫表現型は、CD20・CD38陽性,CD5・CD10・Bcl-2陰性)に合併する限局性AL型胃アミロイドーシス(生検粘膜部にコンゴーレッド染色陽性,アミロイドA染色陰性で過マンガン酸処理に抵抗性のアミロイド沈着を認め, 食道・十二指腸生検,脳・胸部・腹部CT,大腸内視鏡(生検),小腸造影,PET,骨髄穿刺,心・腹部超音波,四肢末梢神経伝導検査では異常はみられず)にて当科外来通院中であった.H2ブロッカー,粘膜防御因子製剤を服薬し,H.pylori除菌も行い病状は落ち着いていた.2013年8月5日の食道胃十二指腸内視鏡(EGD)で潰瘍瘢痕がみられたために生検を施行.生検翌日より心窩部痛とタール便が出現し,症状が持続するため8月8日に当科を再診し,EGDにて生検部に出血性胃潰瘍と,貧血を認めたため同日緊急入院となった.【経過】生検後3日目となる入院時EGDで生検を施行した体下部後壁の潰瘍瘢痕部に,径4cm大の周堤を伴う辺縁周囲が発赤した巨大潰瘍形成を認め,胃内に送気すると潰瘍辺縁部より湧出性出血を認めたが,トロンビン散布にて止血を得た.また,他に生検を行った胃角部前壁や前庭部大彎にも発赤びらんの増悪を認めた.絶食・補液のうえ,PPI,粘膜防御因子製剤投与を行ったところ臨床症状は改善し,生検後24日目のEGDでは,活動性潰瘍は瘢痕となり,発赤びらんの改善も認めた. 【考察】AL型アミロイドーシスでは,自然出血や周術期の止血異常をきたすことがある.生検や内視鏡による送気や接触などの機械的刺激により出血性潰瘍形成を来たす可能性があり内視鏡操作や生検の際には十分気をつける必要があると思われた. アミロイド沈着はMALTリンパ腫における予後不良因子であるとの報告も散見されるが,胃に限局するMALTリンパ腫に合併したアミロイドーシスの報告は非常にまれであり,予後を規定するかどうかは,本症例の経過観察と今後のさらなる検討が必要と考えられた.
索引用語 限局性胃アミロイドーシス, 出血性胃潰瘍