セッション情報 一般演題

タイトル 19:

十二指腸GISTの臨床病理学的検討

演者 田村 達郎(大阪市立大学大学院 腫瘍外科)
共同演者 豊川 貴弘(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 六車 一哉(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 渋谷 雅常(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 山添 定明(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 櫻井 克宣(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 永原 央(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 木村 健二郎(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 天野 良亮(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 久保 尚士(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 田中 浩明(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 大谷 博(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 山下 好人(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 前田 清(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 澤田 鉄二(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 大平 雅一(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 平川 弘聖(大阪市立大学大学院 腫瘍外科)
抄録 【はじめに】十二指腸GISTは比較的稀な疾患であり、GISTの約4%とされている。今回、当院にて診断加療された十二指腸GIST症例について臨床病理学的特徴を検討した。【方法】1993年から2012年までに、当科にて手術を施行した十二指腸GIST症例7例を対象とし、臨床病理学的背景および治療成績について検討した。【結果】手術時の平均年齢は57.3歳(35‐76歳)で、性別は男性6例、女性1例であった。主訴は無症状が4例、黒色便が2例、倦怠感が1例であった。局在は下行脚が6例、水平脚が1例であった。平均腫瘍径は57.2mm(25‐9mm)で、Mitotic indexは≦5/50HPFが5例、>5/50HPFが2例であった。同時性肝転移症例を2例に認めた。術式は、膵頭十二指腸切除+横行結腸・左腎合併切除が1例、十二指腸部分切除+RFAが1例、十二指腸部分切除+横行結腸部分切除+RFAが1例、亜全胃膵頭十二指腸切除が1例、十二指腸部分切除が3例であった。同時性肝転移症例を除いた5例のリスク分類(Miettinen分類)ではHighが1例、Moderateが1例、Lowが3例であった。Highであった1例は術後6ヶ月で肝転移を認めたが、無治療で他院へ転院。他の4例は無再発生存中である。同時性肝転移の1例は術後2ヶ月で肝転移再発を認め、イマチニブ、スニチニブで加療を行うも、再発後3年11か月で原病死した。もう1例はイマニチブによる補助化学療法を2年間行ったが、投与終了後1年で肝転移を認めた。イマニチブを再開し、3か月でCRとなり、現在3年間CRを維持し、イマニチブにて継続加療中である。【結語】十二指腸GISTは胃GISTと比較すると悪性度が高いと考えられた。また、局在や大きさによっては膵頭十二指腸切除や他臓器合併切除など高侵襲手術が必要となることもある。
索引用語 十二指腸, GIST