セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y5-03:

Time intensity curve(TIC)を用いた造影ハーモニックEUS による膵腫瘍血流評価の検討

演者 大本 俊介(近畿大学 消化器内科)
共同演者 北野 雅之(近畿大学 消化器内科), 門坂 薫平(近畿大学 消化器内科), 宮田 剛(近畿大学 消化器内科), 鎌田 研(近畿大学 消化器内科), 山雄 健太郎(近畿大学 消化器内科), 今井 元(近畿大学 消化器内科), 坂本 洋城(近畿大学 消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学 消化器内科)
抄録 【目的】我々は造影ハーモニック法に対応したEUSシステムを開発した。ソナゾイドを用いることで腫瘍の経時的な血流評価が可能となり、質的診断可能であるとの報告が散見される。今回我々は、膵腫瘍性病変診断における造影ハーモニックEUSにてTtime intensity curve(TIC)を作成し、腫瘍の血流の定量化を試みた。【方法】膵癌31例、膵内分泌腫瘍11例、腫瘤形成性膵炎18例、腎細胞癌膵転移5例の計65例を対象とし、ソナゾイド投与後のTICについて検討を行った。腫瘍内部にROIを設定し、ソナゾイド投与前の音圧をbase intensity(BI),投与後の最高音圧をpeak intensity(PI)、PIとBIの差をmaximum intensity gain(MIG)、ソナゾイド投与からPIまでの時間をtime to peak(TTP)、PIと60秒後のエコー輝度の比を減衰率reduction rate(RR)としてそれぞれ検討を行った。【成績】 膵癌と膵神経内分泌腫瘍の比較,膵癌と腎細胞癌膵転移の比較では膵癌症例において有意にMIGが低くとTTPが長くとRRが大きかった.膵癌と腫瘤形成性膵炎の比較ではMIGとTTPに差を認めたが、RRに関しては有意な差を認めなかった。腎細胞癌と腫瘤形成性膵炎、腎細胞癌と膵内分泌腫瘍に関してはMIGとTTPには差がなかったがRRに関しては腎細胞癌症例で有意に減衰が小さかった。【結論】CH-EUSにより作成したTICを検討することで腫瘍血流の客観的な評価が可能であり、膵腫瘤性病変の鑑別診断に有用と考えられた。
索引用語 膵, EUS