セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F4-01:

特発性血小板減少性紫斑病を合併した潰瘍性大腸炎の1例

演者 小川 恭生(市立伊丹病院)
共同演者 樫原 優子(市立伊丹病院), 小山 秀和(市立伊丹病院), 大内 祥平(市立伊丹病院), 三浦 由雄(市立伊丹病院), 山口 典高(市立伊丹病院), 佐野村 珠奈(市立伊丹病院), 明田 寛史(市立伊丹病院), 堀木 優志(市立伊丹病院), 荻山 秀治(市立伊丹病院), 佐治 雪子(市立伊丹病院), 村山 洋子(市立伊丹病院), 筒井 秀作(市立伊丹病院)
抄録 症例は50歳代、女性。主訴は下血。既往歴に特記すべきことなし。201X年2月末より体動時のふらつき、動悸が出現し、4月末より下血を認めたため、近医を受診した。Hb4.8g/dl、PLT2.8×104/μlと貧血、血小板減少を認めたため、赤血球と血小板輸血を行ない、精査加療目的で当科へ紹介入院となった。骨髄生検では特発性血小板減少性紫斑病と診断され、プレドニゾロン30mg/dayを開始した。その後血小板数は改善したが、下痢下血の回数が20回以上/日に増加したため第24病日にS状結腸内視鏡検査を行ったところ、S状結腸から直腸にかけて全周性に易出血性の粘膜発赤、びらん、一部に深掘れ傾向のある潰瘍を認めた。生検では炎症細胞浸潤と杯細胞の減少と陰窩膿瘍を認めた。以上より潰瘍性大腸炎の重症と診断し、中心静脈栄養を開始し、プレドニゾロンを50mg/day、メサラジン4000mg/dayを開始。第37病日からは顆粒球吸着療法を開始した。また、サイトメガロウイルスPCR、サイトメガロIgM抗体が陽性でサイトメガロウィルス感染が潰瘍性大腸炎の増悪に関与している可能性が考えられたため、血小板数が8.4×104/μlに回復した第42病日よりガンシクロビルを開始した。しかし、その後も継続して下血が認められたため第71病日よりインフリキシマブを開始。その後症状は改善し第88病日より食事を開始した。第89病日にはサイトメガロウイルスPCRは陰性化したためガンシクロビルは中止し、プレドニゾロンを25mgまで漸減した後、第106病日に退院となった。退院後もインフリキシマブを継続し、プレドニゾロンを漸減しているが症状の悪化はなく経過している。今回我々は特発性血小板減少性紫斑病を合併した潰瘍性大腸炎症例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 潰瘍性大腸炎, 特発性血小板減少性紫斑病