セッション情報 | ワークショップ2「併存疾患と進行度に応じた消化器癌の治療戦略」 |
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タイトル | W2-02:Stage0/I食道癌に対する根治的化学放射線療法と手術との比較検討 |
演者 | 山本 幸子(大阪府立成人病センター 消化管内科) |
共同演者 | 石原 立(大阪府立成人病センター 消化管内科), 本告 正明(大阪府立成人病センター 外科), 川口 善史(大阪府立成人病センター 放射線治療科), 青井 健司(大阪府立成人病センター 消化管内科), 松浦 倫子(大阪府立成人病センター 消化管内科), 伊藤 貴史(大阪府立成人病センター 消化管内科), 金坂 卓(大阪府立成人病センター 消化管内科), 山階 武(大阪府立成人病センター 消化管内科), 鼻岡 昇(大阪府立成人病センター 消化管内科), 竹内 洋司(大阪府立成人病センター 消化管内科), 東野 晃治(大阪府立成人病センター 消化管内科), 上堂 文也(大阪府立成人病センター 消化管内科), 手島 昭樹(大阪府立成人病センター 放射線治療科), 西山 謹司(大阪府立成人病センター 放射線治療科), 矢野 雅彦(大阪府立成人病センター 外科), 飯石 浩康(大阪府立成人病センター 消化管内科) |
抄録 | 【目的】StageI-III食道癌における標準治療は手術であるが、その侵襲は大きく、併存疾患を持つ方には適応できない場合がある。一方化学放射線療法(以下CRT)は手術に比べ低侵襲で、より広い対象に適応可能である。今回、Stage0/I食道扁平上皮癌に対するCRTの成績を手術と比較して検討した。【方法】cStage0/I (食道癌取扱い規約第10版cT1N0M0)食道癌のうち、1995年2月から2008年8月までに当院にて、根治手術を施行した116例と、根治的CRTを施行した54例の全生存期間と再発率を比較検討した。【成績】計170例中169例で2009年3月31日における予後の追跡が可能で、CRT群54例中53例がCRとなった。CRT群の観察期間中央値は30か月(4-77か月)、手術群の観察期間中央値は67か月(10-171か月)で、1年、3年生存率はCRT群で各々98.1%、88.7%、手術群では97.4%、85.5%で両群間に有意差は認めなかった。(P=0.78)coxハザードモデルを用いて、年齢、性別、腫瘍径を一致させ、2群間を比較した。CRT群における生存期間のハザード比は0.95(95%信頼区間:0.37-2.47)で、食道局所を含めないリンパ節または他臓器転移再発(以下非局所再発)での1年、3年無増悪生存割合はCRT群で各々90.5%、83.5%、手術群で93.9%、81.9%で有意差はみられなかった(P=0.97)が、非局所再発に食道局所・異時性再発を合わせた1年、3年無増悪生存割合は、手術群93.9%、81.9%と比較しCRT群84.6%、70.1%と有意に不良だった。(P=0.04)しかし全ての局所・異時性再発は粘膜癌であり、主に内視鏡治療で救済治療が施行され、全例で治癒が得られた。【結論】Stage0/I食道癌においてCRTは全生存率で手術と比較し遜色ない結果であった。食道局所・異時性再発率は高かったが、内視鏡的に治療しえ、局所のコントロールは可能であった。CRTはStage0/I食道癌において手術の代替となる治療になりうると考えられる。 |
索引用語 | 食道癌, 化学放射線療法 |