セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y1-02:

IFN療法中に発症したKL-6正常の薬剤性肺障害の2例

演者 向井 理英子(松下記念病院 消化器科)
共同演者 長尾 泰孝(松下記念病院 消化器科), 高山 峻(松下記念病院 消化器科), 山田 展久(松下記念病院 消化器科), 酉家 章弘(松下記念病院 消化器科), 沖田 美香(松下記念病院 消化器科), 磯崎 豊(松下記念病院 消化器科), 小山田 裕一(松下記念病院 消化器科), 山田 崇央(松下記念病院 呼吸器科), 伊藤 義人(京都府立医科大学医学研究科 消化器内科学)
抄録 (緒言)C型慢性肝炎に対するIFN療法による薬剤性肺障害として間質性肺炎(IP)があり、その診断にはKL-6が有用との報告が多い。今回、我々はKL-6が正常値を呈した薬剤性肺障害の2例を経験したので報告する。(症例1)70歳代、男性。以前にIFN単独療法、2剤併用療法(PEG-IFNα2a+Ribavirin)を施行されるも再燃。IFN少量長期療法を希望し、2012年3月受診。開始時のKL-6 313U/ml(正常0~500)。PegIFNα2a 90μg毎週より開始し、PLT低下のため45μg隔週まで減量。同年9月HCCにてRFA施行(他院)後も継続投与した。2013年2月初旬より発熱、乾性咳嗽が出現したため、胸部CTを施行するも特異的所見なし。WBC 3800/mm3、CRP 0.37mg/dl、LDH 194IU/L、KL-6 378 IU/mlであった。IFN療法中断しCPFX投与するも改善なく、症状発現2週目に呼吸器科入院。入院後のCTで非特異的間質性肺炎パターンと診断された。気管支鏡検査でもIPに合致する所見であった。ステロイド使用せずCTRX投与のみで軽快した。(症例2)50歳代、男性。2013年6月他院にて3剤併用療法(Telaprevir+PEG-IFNα2a+Ribavirin)を開始され、RVR。継続治療目的で7月初診し、5回目より当院で投与開始した。6回目投与時、著明な倦怠感を訴え、発熱と乾性咳嗽も見られた。WBC 2300/mm3、CRP 3.93mg/dl、LDH 220IU/L、KL-6 161 U/ml、SP-D 107ng/ml(正常0~110)であった。胸部CTでは左肺に器質化肺炎パターンの肺病変が見られた。3剤併用療法を中止し、プレドニソロン30mg/日とLVFXを開始した。1週間目で症状は著明に改善し、1か月後のCT上では所見は消失していた。(考案)IFN療法時のIPの頻度はIFNの種類により異なり0.03~0.29%でPegIFNα2aに多く、3剤併用療法では0.18%と報告されている。診断には自他覚所見、画像診断に加えKL-6が有用なマーカーとされているが、我々の経験した2例ではKL-6が正常の薬剤性肺障害であり、2例目ではより早期のIPマーカーと考えられるSP-Dも正常であった。IFN療法中の薬剤性肺障害の診断において、発症時にKL-6が陰性の症例もあることを念頭に置いた注意深い診療が必要と考えられた。
索引用語 KL-6, 薬剤性肺障害