セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 14:橈骨動脈アプローチ法による肝動脈塞栓化学療法(trancecatheter arterial chemoembolization:TACE)の術後止血におけるヘリックスバンドの有用性 |
演者 | 高田 亮(加納総合病院 内科) |
共同演者 | 田中 弘教(兵庫医科大学病院 総合内科 肝胆膵科), 楊 和典(兵庫医科大学病院 総合内科 肝胆膵科), 石井 昭生(兵庫医科大学病院 総合内科 肝胆膵科), 原 直樹(加納総合病院 内科), 久保田 真司(加納総合病院 内科), 西口 修平(兵庫医科大学病院 総合内科 肝胆膵科) |
抄録 | 【目的】肝細胞癌に対するTACEは、大腿動脈からのアプローチが多いが、尿道カテーテル留置や術後安静の必要性などの問題がある。心臓血管系のカテーテル検査は最近では上腕あるいは橈骨動脈からのアプローチが主流となっており、当院でも患者の負担軽減のため、平成24年より橈骨動脈アプローチ法によるTACEを導入している。この際のカテーテル抜去時の止血バンドにはとめ太くん®をこれまで使用していたが、これは手首全体を包み込むようにバルーンで圧迫するため、疼痛・圧迫感や循環障害などの問題がある。昨年より本邦で使用可能となったヘリックスバンド®は、簡便に穿刺部のみを約1cm大のチップで血圧に応じて適切に圧迫する止血バンドであるが、TACEとしての使用例の報告はない。そのため、今回その使用効果および問題点について検討した。【方法】平成24年1月より平成25年9月までの間にTACEを施行した97例のうち経橈骨動脈アプローチは67例であり、このうち本年7月より導入したヘリックスバンド®を使用した11例の止血後出血や、循環障害などの合併症の有無を検討した。また、とめ太くん®とへリックスバンド®の両者で止血し、比較可能であった4例の患者については、自覚症状(疼痛、圧迫時違和感等)についても比較した。自覚症状の評価はとめ太くん®での止血時を10点と設定した際のへリックスバンドでの変化をアンケート形式で調査した。【結果】へリックスバンド®は全例再出血なく止血可能であり、臨床上問題となる循環障害やその他重要な合併症は認めなかった。とめ太くん®とへリックスバンド®の両者で止血した患者は4名で自覚症状は、とめ太くん®よりも強い症状のあったものはなく、ヘリックスバンド®での点数は疼痛・違和感ともに3点:2名(50%)、7点:1名(25%)、10点:1名(25%)であり、症例数は少ないが過半数例で自覚症状の軽減が得られた。【結語】経橈骨動脈アプローチのTACE時の自覚症状軽減にヘリックスバンド®は有用であった。 |
索引用語 | 肝動脈塞栓術, ヘリックスバンド |