セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F1-08:

経過中に多彩な内視鏡像を呈したNSAID起因性腸潰瘍の一例

演者 猪上 尚徳(京都第二赤十字病院 消化器内科)
共同演者 雨宮 可奈(京都第二赤十字病院 消化器内科), 藤井 康智(京都第二赤十字病院 消化器内科), 川勝 雪乃(京都第二赤十字病院 消化器内科), 和田 浩典(京都第二赤十字病院 消化器内科), 上田 悠揮(京都第二赤十字病院 消化器内科), 白川 敦史(京都第二赤十字病院 消化器内科), 岡田 雄介(京都第二赤十字病院 消化器内科), 真田 香澄(京都第二赤十字病院 消化器内科), 中瀬 浩二朗(京都第二赤十字病院 消化器内科), 萬代 晃一朗(京都第二赤十字病院 消化器内科), 鈴木 安曇(京都第二赤十字病院 消化器内科), 河村 卓二(京都第二赤十字病院 消化器内科), 河端 秀明(京都第二赤十字病院 消化器内科), 宮田 正年(京都第二赤十字病院 消化器内科), 盛田 篤広(京都第二赤十字病院 消化器内科), 田中 聖人(京都第二赤十字病院 消化器内科), 宇野 耕治(京都第二赤十字病院 消化器内科), 安田 健治朗(京都第二赤十字病院 消化器内科), 中島 正継(京都第二赤十字病院 消化器内科)
抄録 症例は48歳男性で、2003年より慢性関節リウマチに罹患し前医で内服治療中であった。2007年よりインフリキシマブ(レミケード)を導入されるも効果不十分であり2008年よりトリシズマブ(アクテムラ)を導入されていた。2010年夏ごろより関節痛の増悪がありロキソプロフェンナトリウム(ロブ)60mgを1日2回定期服用していた。2010年11月5日より暗赤色の血便があり貧血の進行を認めるため、同年11月8日に当院救命センターへ紹介され受診した。上部消化管内視鏡では胃潰瘍瘢痕を認めるのみで活動性の病変は認めなかった。下部消化管内視鏡では回盲弁上に境界明瞭な深掘れ潰瘍を認め、その周囲はポリープ状に隆起していた。回盲弁は潰瘍のため変形し、狭窄のためスコープは回腸末端へ挿入しえなかった。また、盲腸には小潰瘍が散在していた。回盲弁上の潰瘍が出血源と判断し、絶食およびロキソプロフェンナトリウムの休薬で経過観察したところ潰瘍は治癒傾向となり、2011年2月の内視鏡では潰瘍は瘢痕化していた。その後の経過は良好であったが、関節痛の悪化のため2013年5月初旬よりジクロフェナクナトリウム坐剤(ボルタレンサポ)を一日数回挿肛した。2013年5月下旬より心窩部痛・下腹部痛が出現するため当院を受診した。下部消化管内視鏡では回盲弁に潰瘍・狭窄はなく、スコープの通過は容易であった。回腸末端に境界明瞭な不整形の潰瘍が多発していたが、大腸に異常所見はなかった。ジクロフェナクナトリウムの休薬のみにて潰瘍は治癒傾向となった。なお、経過中に抗酸菌培養を含む便培養を複数回施行したがいずれも陰性であった。以上、経過中に多彩な内視鏡像を呈したNSAID起因性腸潰瘍の一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 消化性潰瘍, NSAID